ES -Eternal Sabbath- / エス エターナル サバス

ES -Eternal Sabbath- / エス エターナル サバス

『ES -Eternal Sabbath-』(エス エターナル サバス)とは、『モーニング』にて2001年41号から2004年45号まで連載された、惣領冬実による日本の漫画作品である。少女漫画誌から青年誌へ発表の場を移して初となる作品であり、単行本は講談社より全8巻、後に講談社文庫版全5巻が刊行された。
他人の脳に侵入して情報を瞬時に読み取り、自分に都合よく改竄できる特殊な能力を持つ青年・シュロ。彼は「Eternal Sabbath」と名付けられた不死身の遺伝子「ES」が組み込まれて生み出された遺伝子操作人間であり、のちに秋庭亮介(あきば りょうすけ)という名前を得る。東鵬医大の脳生理学スペシャリストである九条未祢(くじょう みね)は、ある殺人事件の現場でシュロを目撃し、彼の身体の謎に引き込まれていく。
本作は1980年代の映画『トロン』をモチーフとして制作されており、タイトルの「ES」はドイツ語の「それ」に由来している。連載当時は映画化の企画が進められていたものの、恋愛重視の展開を求める製作側と作者の間で意見の相違が生じたため、最終的に白紙化された。

ES -Eternal Sabbath- / エス エターナル サバスのレビュー・評価・感想

ES -Eternal Sabbath- / エス エターナル サバス
8

人造人間に立ち向かうSF、サイコサスペンス。

この作品以前は、恋愛モノの少女コミックを描いてきた作者の惣領冬実が、青年マンガでサイコサスペンスに挑戦した意欲作。

このマンガの題材となっているのは、遺伝子操作で誕生させられた人造人間。
彼らは普通の人間の意識の中に入り込んだり、自由に操作することができます。
そんな彼らにとって、世間の人々に紛れこんで、何食わぬ顔をして暮らすのはお手の物。
しかし、ごく稀に意識にコンタクトすることができず、操作できない人間も存在するのでしたーー。

医科大学で脳科学を研究している研究員、九條未祢もその一人。
人造人間が操作できないタイプの女性でした。
医大の学生に紛れこみ、秋葉亮介と名のる人物に、未袮は違和感を抱き追及。
彼がシュロと名づけられた人造人間だと発覚します。

シュロが人間との共存を望むのに対して、彼のクローンとして作られたイザクは人間を脅かす存在として登場します。
ストーリーの中では立ち向かうべき敵として描かれ、イザクとの対決が展開の軸に。
その戦いの裏側では、人間というものの、心理的、哲学的な側面が描写されていて、考えさせられる場面も多いのが特徴です。

心の中のイメージの世界を描いたシーンは精巧で美しく、SFのような世界観が楽しめる作品となっています。