男はつらいよ 純情篇

男はつらいよ 純情篇のレビュー・評価・感想

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男はつらいよ 純情篇
9

寅さんってほんといい加減

今回のマドンナ「夕子さん」は、きりっとしているのに優しそうで、大人の女性という感じがして結構好きです。やはり、苦労している女性は強いのでしょうか。おばちゃんも優しいという点では一緒だけど、全然違うタイプなので、夕子さんとおばちゃんが親戚といわれても、嘘だろうって感じでした。きれいですがちょっと不幸そうで、寅さんが気に入るのもよくわかりました。また今回の騒動は、博さんがタコ社長の工場をやめたいというものでした。博さんの一国の主になりたいという気持ちもよくわかるし、タコ社長の博さんにやめられたら困るという気持ちもよくわかります。二人とも悩んでいるのに、それをひっかきまわすなんて、寅さんのいい加減さがよく出ている回でした。博さんが「金のあてはある」と勝手に思っていただけなので元鞘に収まりましたが、寅さんひどいと久しぶりに思った回でした。夕子さんとの恋は、こちらも結局元鞘に戻りあえなく撃沈です。嫌なところもあるけど、結局旦那さんが好きだったんですね、夕子さんは。まあ、今まで金で苦労しっぱなしで、それでも支えてきたのだから、別れるなんて考えは元からなかったのかもしれません。寅さんが気の毒でしたが、いい終着点だったと思います。

男はつらいよ 純情篇
8

しっかりした女性

寅さんが、旅から帰ってくると、自分の部屋を下宿に貸していたことに腹をたてるが、そこに住むのが美しい女性夕子と知って、惚れてしまうという話です。寅さんが下宿人に腹をたてるエピソードはよくありますが、まあ、寅さんの気持ちもわからなくありません。いつもいねえじゃねえかとも思うし、部屋を貸したからといっておいちゃん、おばちゃんが寅さんを忘れたわけじゃないんだけど、まあ、ちよっとさみしいよねとは思います。今回のヒロイン、夕子さんは結婚していて頼りない夫を支えてて、夫に腹を立てて別居しているという人です。ほんと、しっかりしたカミさんという感じで、偉そうとかじゃないけど、きりっとしていてきれいです。寅さんが惚れるのも無理ないなと思いました。やっぱり、寅さん映画のヒロインは種類が違うけど全員素敵だなと思います。あと、本作では博の独立騒動が持ち上がりますが、そこの寅さんはひどい!と思いました。そういういい加減な、ザ、人間!てところが寅さんの魅力なんだけど、周りは困っただろうなと思いました。寅さんの映画のシーンには旅先が多いのと、柴又が多いのがありますが、今回は結構、柴又が多かったなと思います。やっぱ、あの下町感、すごくいいなと思いました。いつか行きたいです。