男はつらいよ 望郷篇

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男はつらいよ 望郷篇
9

豆腐屋の娘

男はつらいよの第5作目です。寅さんが真面目に働こうとするけど、という話でした。寅さんって、ほんと人の言葉に左右されやすいというか、油と汗にまみれて働くのが素晴らしいみたいなのを聞けば、油関係の仕事を探し、なんか、裏の印刷屋にみたいな話も出たけどいろいろいちゃもんつけるし、どこも寅さんを雇ってはくれないし、愉快でありながら切なかったです。その後、お豆腐やで働き出し、そこの娘さんに恋をします。ほんと、いつものパターンなのですが、そこがまたよいです。今回のヒロインは私的にはそんな美人な感じでもないのですが、下町の子って感じで明るくていい子でした。寅さんの悪いところは、はっきりとしたことを全然言わないところだなと思いました。何も言ってないし確かめもしないのにうまくいったと思い込むところが、彼のいいところでもあり、悪いところだと思います。今回の映画は夏公開のものだったので、最後、隅田川の花火大会がありました。団子屋に、さくらちゃん家族もおいちゃんら、社長さんも集まってるのに、いつまでたっても寅さんが来ないところがすごく切なかったです。失恋してもすぐ旅に出ず、おいちゃんらに顔見せてやれよ、寅さんと思ってしまいました。やっぱ、この寂しさがまた寅さんに会いたくなる所以かなと思います。