しゃぼん玉

しゃぼん玉のレビュー・評価・感想

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しゃぼん玉
6

人の気持ちに気がつく

犯罪を繰り返していた青年が、逃げ込んだ宮崎の田舎で居候先のおばあさんや村の人と交流して人生を見つめ直すという話で、市原悦子さんの最後の作品です。
青年は林遣都さんがやっています。
彼は何だかフラフラした感じですが、顔が人好きする顔だからか、良い人そうに見えて、まあ、居候させちゃうかなと思いました。今まで誰の役にも立っていないし、人から褒められたこともなかったのに、おばあさんの手助けをして、坊は良い子と言われたり、祭りの手伝いに駆り出されてお礼を言われたり、青年にとっては初めての経験だったのだと思います。そのことや、犯罪の被害者に会ったりして、被害者の気持ちをやって理解したのだと思います。
世の中に芝居などができて、初めて自分以外の人間にも気持ちがあることが分かり、犯罪が減ったという話があります。やはり、他人の気持ちを理解する、ということができなくても彼らは自分と違う気持ちを持ってるということを知って、初めて自分のした犯罪を反省できるのかもしれないと思いました。
市原悦子さんはダメなことはダメと言うけれど、やったことだけで人の全てを否定しないとても優しいお婆さんでした。私もこんなお婆さんのお手伝いをしながら、一緒に住みたいなあと思いました。