不夜城

不夜城

『不夜城』(ふやじょう、SLEEPLESS TOWN)とは、馳星周による日本の小説、およびそれを原作とした1998年の日本映画である。文芸評論家であった著者の小説家デビュー作であり、1997年に第18回吉川英治文学新人賞を受賞したほか、『このミステリーがすごい!』や『週刊文春ミステリーベスト10』で共に第1位を獲得するなど高い評価を得た。のちに続編『鎮魂歌 不夜城II』や完結編『長恨歌 不夜城完結編』が刊行されシリーズ化されたほか、1998年にはリー・チーガイ監督、金城武主演で映画化され、日本アカデミー賞優秀美術賞などを受賞した。
日本一の歓楽街である東京・歌舞伎町を舞台に、中国人たちの激しい勢力争いや裏社会を描く。日本と台湾のハーフで歌舞伎町の裏社会を渡り歩く主人公・劉健一(リウ ジェンイー/りゅう けんいち)が、かつての相棒であり上海マフィアのボスに追われる呉富春(ウー フーチュン/ご とみはる)と、彼に助けを求めた謎の女・佐藤 夏美(さとう なつみ)を巡る二重三重の嘘と裏切りが渦巻く極限の状況に巻き込まれていく姿が描かれる。

不夜城のレビュー・評価・感想

不夜城
9

眠らない街、歌舞伎町に暗躍する男たち

第18回吉川英治文学新人賞を受賞した馳星周のハードボイルド小説を映画化した作品。
眠らない街「歌舞伎町」で眠れないスリルが全てを覆う快感を皮膚から感じました。
金城武演じる台湾と日本のハーフ健一が謎の女「夏美」と過ごした3日間が色濃く、今でも心に滞在しています。
中国マフィアの出身地による派閥争いに振り回されながら無理難題な裏切り者を探して、最後は助けを乞うものさえ手にかける健一の残酷さが痺れるほどかっこよかったです。
靖国通りから見えるEPSONの看板やプロント看板の色が昔のもの等、90年代の新宿を感じれて過去に浸れるシーンもありました。
この作品で共演した椎名桔平と山本未来が後に結婚。
山本未来の妖艶さと椎名桔平の追い込まれた男の緊迫感は見物です。
命からがら無理強いされた人探しをしても自分も殺されるかもしれない絶望が金城武にマッチしていて、男なら憧れるワイルドさがプンプンに薫る映像。
歌舞伎町に巣くう違法滞在の中国人達が裏街道を恩と金で生き抜く姿が眠らない街に絡みついて観るものを引き込みます。
エンディング曲のB'zの『The Wild Wind』は乾いた悲しみを紡いでラストまで痺れるかっこよさでした。