B'T X

B'T Xのレビュー・評価・感想

B'T X
8

車田正美先生の良くまとまった隠れ名作

車田正美といえば『聖闘士星矢』『リングにかけろ』などが有名ですが、この漫画『B'T X(ビート・エックス)』は、かなり良くまとまった作品です。
タイトルの「B'T(ビート)」というのは、いわばロボットの発展型で、自律行動して戦闘もするものです。主人(ドナー)と血の繋がりを持ち、協力しながら戦っていくことになります。
この漫画の特徴として、主人公と共に戦うキャラ達は、5年間を共に過ごした1名を除き、決して仲間になりきってはいません。本来は敵でありながら、あくまで共闘しているだけというスタンスは最後まで崩していません。いや実際には仲間意識は確実にありますけどね。
敵キャラが、様々な悲しい過去や背景を持っており、それが見どころです。ラスボスは一貫して下衆ですが、だからこそラストの撃破シーンにカタルシスがありますね。7巻〜9巻は、主人公と共に行動するメインキャラ達の過去に深く切り込むエピソードで、彼らの魅力がよく分かりオススメの巻です。
15巻ありますが、良くも悪くも大ゴマが多いので、読み切るのに意外と時間は掛からないかと思います。
車田先生の作品特有の突っ込みどころはまあそれなりにありますが、展開上の矛盾とかいうほどのものは意外と見当たらないです。