サイダーガール / CIDER GIRL

サイダーガール / CIDER GIRLのレビュー・評価・感想

サイダーガール / CIDER GIRL
8

喉の奥でスカッとはじける、「炭酸系ロック」

サイダーガールは、男性3名からなる日本のロックバンドです。
メンバーは、ボーカル兼ギター担当のYurin(ゆりん)、ギター担当の知(とも)、ベース担当のフジムラ。
2004年に結成され、2007年にメジャーデビューをしています。

彼らの音楽性をひとことで表すとすれば、「炭酸系ロック」でしょう。
はじけるような軽快なリズムと、心地よいメロディがこのバンドの大きな魅力のひとつ。
アルバム『Soda Pop Fanclub 3』に収録されている「ばかやろう」というナンバーはその好例で、サイダーを飲み干したときのような爽快感が、聞き手の耳を軽やかに通り抜けていきます。
まさに「名は体を表す」という言葉がぴったりのバンドと言えるでしょう。

メンバー全員が作詞と作曲を手がけているのも特長で、各アルバムでは3人のクレジットがバランスよく配されています。
それぞれの曲調は多岐に渡っているものの、聞き終えたあとの爽快さはいずれも高水準。
このバンドとしての統一感は、Yurinの歌、知のギター、フジムラのベースが組み合わさってこそ生まれるものです。
三者三様の音楽的技術とセンスが楽曲の中に無理なく溶け込み、それが結果として「サイダーガール」というバンドの個性につながっています。その過程を目の当たりにするたびに、スカッとした気分に浸れるリスナーは多いのではないでしょうか。

パワフルかつヘヴィすぎるロックは少し苦手。一流のポップセンスと演奏を、サラリと兼ね備えている音楽に触れたい。
サイダーガールは、そんな希望に応えてくれるバンドです。一度飲んだら、手放せない味になることでしょう。