花とみつばち

花とみつばち

『花とみつばち』とは2000年から2003年に講談社の『週刊ヤングマガジン』で連載された安野モヨコによる青年コメディー漫画である。コミックスは全7巻。高校生の小松正男(こまつ まさお)は、モテたいが地味でファッションにも容姿にも自信がない。格差社会で構成されるスクールカーストの底辺にいる小松が、モテる男になるために悪戦苦闘する。風変わりなメンズエステに通いそこで出会った「オニ姉妹」に指導されながら、小松が成長していく青春コメディー作品だ。

花とみつばちのレビュー・評価・感想

花とみつばち
8

主人公「小松」が女の子に好かれたい、モテたい一心で広がるストーリーが面白く、最後はとても切ない物語。

安野モヨコ氏が2000年から2003年まで週刊ヤングマガジンで掲載していた漫画、「花とみつばち」が面白い。

舞台となる時代は、芸能人でいえば安室奈美恵、浜崎あゆみ等を真似した高校生達が街中を歩きまわる、いわゆる「コギャル時代」。
そんなコギャル達のステータスといえばお洒落なティーン雑誌の読者モデルだった。

主人公の高校生、「小松正男」はクラスでもあまり目立つことのない地味系男子。そんな彼は、ある日見かけた他校の美少女女子高校生「のりこちゃん」に一目惚れしてしまう。
のりこちゃんに近づくために小松は、男子専門エステ「美男ワールド」に通い始めた。
しかし、ある日美男ワールドにいたのは、男の全てを知り尽くしたセレブすぎるオニ姉妹(ハルミ・キヨミ)だった。

のりこちゃんに近づくために、格好良くなるために、モテるために、オニ姉妹のもと奴隷として働き、虐められ、自分磨きに没頭する小松。
だが、オニ姉妹の鬼畜さ、周りの女子の冷たさや反応、どうにも上手く行かず悶々とした日々を送る。
そんな時、クラスのギャルグループの一人「大田サクラ」に声をかけられる。

サクラといえばスクールカーストのトップであり、雑誌の読者モデルでもある。可愛さ、スタイルの良さ、お洒落、彼氏も強そうで格好いい。どれをとっても引くに足りない。そして小松が最も苦手としている女子である。

全てはのりこちゃんに近づきたい、格好良くなりたい、モテたい!から始まった小松改造計画だったが、いつしか小松には様々な(癖の強い)女達(花)が関わっていた。
そして、気付くと小松はサクラに惹かれ始め、2人は付き合うことに。

出てくる女の子も可愛いし、格好良さも楽しめが、思春期ならではの主人公小松の心理がとても切なく、哀れで共感をしてしまう作品である。

花とみつばち
7

地味男子の過酷なモテ修行

地味で普通な男子高校生、小松が、街で見かけたモデルの美少女に一目惚れをし、自分を変えようとメンズエステの扉を開くところからストーリーは始まります。

メンズエステのスタッフは、いい加減でめちゃくちゃなセレブ姉妹。
ゴージャスでグラマラスな美女達なのですが、かなり毒があり、ワガママの言い放題で、小松をいじめて楽しみます。
彼女達にとってエステ業は金持ちの道楽のようなもの。
まったくまともには営業していないのでした。

しかし、そんな姉妹にしごかれ、振り回されながら、小松のモテる男への修行がはじまり、恋愛ストーリーが展開していきます。
とは言え、恋愛偏差値のかなり低い小松には、なかなか幸せな恋愛は訪れず、いい男を目指すためには長い道のりが。
失敗しては、また新たなヒロインが登場し、少しずつ学んでいく様子が、ドタバタコメディーで描かれています。

そんなヒロイン達の中で、一際輝いているのが、小松と同じクラスの太田サクラ。
彼女はギャル系で、モデルの仕事もこなす美少女。
派手で目立つ存在ですが、中身は意外と普通の女の子という、魅力的なキャラクターです。
はじめの頃から登場し、何かと小松と接点があるため、二人がどうなるのか非常に気になるところとなっています。