主人公「小松」が女の子に好かれたい、モテたい一心で広がるストーリーが面白く、最後はとても切ない物語。
安野モヨコ氏が2000年から2003年まで週刊ヤングマガジンで掲載していた漫画、「花とみつばち」が面白い。
舞台となる時代は、芸能人でいえば安室奈美恵、浜崎あゆみ等を真似した高校生達が街中を歩きまわる、いわゆる「コギャル時代」。
そんなコギャル達のステータスといえばお洒落なティーン雑誌の読者モデルだった。
主人公の高校生、「小松正男」はクラスでもあまり目立つことのない地味系男子。そんな彼は、ある日見かけた他校の美少女女子高校生「のりこちゃん」に一目惚れしてしまう。
のりこちゃんに近づくために小松は、男子専門エステ「美男ワールド」に通い始めた。
しかし、ある日美男ワールドにいたのは、男の全てを知り尽くしたセレブすぎるオニ姉妹(ハルミ・キヨミ)だった。
のりこちゃんに近づくために、格好良くなるために、モテるために、オニ姉妹のもと奴隷として働き、虐められ、自分磨きに没頭する小松。
だが、オニ姉妹の鬼畜さ、周りの女子の冷たさや反応、どうにも上手く行かず悶々とした日々を送る。
そんな時、クラスのギャルグループの一人「大田サクラ」に声をかけられる。
サクラといえばスクールカーストのトップであり、雑誌の読者モデルでもある。可愛さ、スタイルの良さ、お洒落、彼氏も強そうで格好いい。どれをとっても引くに足りない。そして小松が最も苦手としている女子である。
全てはのりこちゃんに近づきたい、格好良くなりたい、モテたい!から始まった小松改造計画だったが、いつしか小松には様々な(癖の強い)女達(花)が関わっていた。
そして、気付くと小松はサクラに惹かれ始め、2人は付き合うことに。
出てくる女の子も可愛いし、格好良さも楽しめが、思春期ならではの主人公小松の心理がとても切なく、哀れで共感をしてしまう作品である。