蒼太の包丁 銀座・板前修業日記

蒼太の包丁 銀座・板前修業日記のレビュー・評価・感想

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蒼太の包丁 銀座・板前修業日記
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普段の食事に+α

日本食って奥が深い、健康的、美術的だなど海外からの評価はいいものの私たちは本質を知らない。
そんな日本食を料理人へと修行中の主人公 蒼太と共に知識を深めていく。修行している身なので親方から日本食の知識を過程を踏まえて知ることができるし、ちょっとした料理人のドラマも垣間見えるよくできた物語である。
調理工程やその食材に関する知識など、ちょっと日本食が楽しくなるようなことがたくさん出てくる。たとえば、たまに日常でも、「腹黒い」なんて人の性格を揶揄する言葉があるだろう。その由来をしっているだろうか?実は魚の「サヨリ」から来ているのである。身はしなやかで美しいサヨリだが捌くと腹のなかはとても黒々としている。ここから「腹黒い」という言葉はできている。このような知識と共に素材そのものを生かした日本食のイラストとですぐにでも食べたくなるような物語が描かれている。
他にも日本特有の四季がはっきりしているおかげで、季節ものを題材とした回や地方の特産品などを題材としている。自身が旅行に行った際、探してみるというマンガの外にも楽しみが見つかるのだ。これも例を出しておこう。鮭という魚に「トキシラズ」と呼ばれているのがあるのはご存知だろうか。鮭の旨味が格段に違うらしい、さらにその上をいく鮭も存在するのだとか。それは自身で読んでみて確かめてほしい。