ただの猫好き向け漫画じゃない
舞台は江戸時代。猫漫画が読みたいと手を出すと、手を出した自分をほめたくなる。
なぜなら、猫又、化け猫といった妖怪要素、さらに主人公くん十兵衛は、それらと会話ができるだけでなく、彼自身も能力持ちというおいしいファンタジー設定。
彼の浮世離れした、容姿もよい。江戸時代が舞台なため、せりふ回しも、粋であり、浮世絵を読んでいる気にすらなる。
基本的には、十兵衛と猫又のニタの世直しが主な主軸。
数多い登場人物や、猫たちが再登場する機会が多いため、キャラクターたちを覚えやすく、感情移入もしやすい。
ニタは、最強猫又であり、チート設定にも爽快感を感じることができる。
ほかにも、最強な猫又、化け猫がおり、彼らは、十兵衛にだけは協力的。
十兵衛も、人間たちと猫たち、両者のバランスを取るのがうまく、どちらにも愛されるキャラとなっている。
永尾まる先生の画力が、高いため、ち密な江戸時代の風景が分かりやすく伝わってくる。
当時の、装いだったり、街並みや、職業、髪型など、すべてにこだわりを感じる。
ファンタジーとリアリズムのバランスが、絶妙で、まるでその時代には、猫又は本当にいたのかもしれないとも、思えたりする。
読み切りの話が多いため、非常に読みやすい。
ただ、時間軸はしっかり全話を通して進んでいるため、もちろん連載ものとしての魅力は損なわれていない。