ボディ・ハント / House at the End of the Street

ボディ・ハント / House at the End of the Streetのレビュー・評価・感想

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ボディ・ハント / House at the End of the Street
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少女と青年の丁寧な交流を描く青春恋愛映画…だったらよかったのに

両親の離婚で、母とともに郊外の一軒家へと越してきた少女と、地元で孤立している青年の交流を丁寧に描く爽やかな青春恋愛映画…だったらよかったのに、というのが個人的な感想の『ボディ・ハント』。
先のとおり物語前半では、引っ越してきた少女エリッサと、両親が妹に殺害されたことが原因で孤立している青年ライアンの交流を丁寧に描きつつも、その後の不穏な展開を連想させるシーンがたびたび挿入される。というか、妹キャリー・アンが両親を殺害するシーンからこの映画は始まる。さらに、キャリー・アンは捕まっておらず、エリッサとライアンの家近くにある公園の森に潜んでいるのではないか、という都市伝説が序盤に語られる。明らかにサスペンスやスリラー系の映画です。
行方不明のキャリー・アンだが、実はライアンが地下室に匿っている…というか監禁している。キャリー・アンはブランコで遊んでいたときに誤って落下してしまい、脳に障害を負ってしまったのだ。そのせいで暴れるようになってしまい、両親を殺害したのもそれが原因だったようだ。そんなキャリー・アンと二人暮らしをしているライアンが、そして彼に惹かれているエリッサが、どのような結末を迎えるのかが本作の見所だろうか。
『SAW』シリーズのスタッフが生み出した、というのが公式の売り文句であるとおり、本作の後半ではどんでん返しがある。とはいえこのどんでん返し、察しのいい人なら映画途中で気がつくし、整合性を検証してみるといろいろと粗が目立つ。また詳細は省くが、個人的には「そんな簡単にグキッていくもんなの?」と気になった。それも二回も。
総評としては、人に薦めたいほど魅力にあふれているわけでもないが、かといって駄作というわけでもない、それなりの作品だ。あまりどんでん返しに期待せず、二人がやがてどんな結末を迎えるかを想像しながら気楽に楽しむぐらいがいいだろう。