菊地成孔

菊地成孔のレビュー・評価・感想

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菊地成孔
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博覧強記のジャズミュージシャン、文筆家 菊地成孔

菊地成孔はジャズミュージシャン、サックス奏者である。ペペ・トルメント・アスカラール、DC/PRGなど複数のバンドを牽引し、日本人で唯一インパルスレコードと契約。その音楽は「言語を音楽化したもの」と評される。しかし彼の活動はそれだけにとどまらず多方面で活躍している。Spank Happyというデュエットではエレクトロポップ、エレクトロピチカートファイブのようなダンスミュージックを展開。JAZZ DOMMUNISTERSでは大谷能生とともにポエトリーラップめいた質の高いラップも披露。また作詞家として野宮真貴、小泉今日子などに提供。
2011年から2018年まで続いた「菊地成孔の粋な夜電波」はジャズを中心に様々なジャンルの音楽を彼が紹介する番組であり、同時間帯一位を獲得するなどカルト的人気を誇り、毎回番組冒頭で披露される独特の前口上のみで2冊の書籍が出版されるほどである。
さらに文筆家としての活躍もめざましく、これまでにエッセイ「スペインの宇宙食」「歌舞伎町のミッドナイト・フットボール」「サイコロジカル・ボディ・ブルース解凍」「CDは株券ではない」などを上梓。ファッションにも造詣が深く、著書「服は何故音楽を必要とするのか?」の中では学術論文さながらのウォーキングミュージック論を展開。
菊地独特のエロチシズムは我々の普段触れることのないフェテッシュな感覚を愛撫するかのごとく触れてくる。