母と子の関係性が問題。
息子の無実を信じて母が奮闘みたいな話は、よくあると思いますが、この映画は一味違うと思いました。また、真犯人についても最後までわかりませんでした。この親子自体にも問題があり、母は知的障害がある息子を過剰に庇護しています。そしてそんな母に囚われている息子。たしかに、母からしたら、子どものためになんでもしたいというのはわかります。でも、この母は異常です。息子の犯罪だと分かったあと、息子のために自身も殺人を犯すのです。いや、異常ではないのかもしれません。それが母というものなのかもしれないです。私自身、息子が犯罪を犯したとき、自分がどうなるかなんて、想像つきません。いろいろと考えさせられました。とはいえ、やはり、べったりはよくないですね。結局、母からの一人の人間として扱ってもらえないことが息子を追い詰めたのかもしれません。ちよっと息子離れを考えないとなと思いました。映画の感想に戻りますが、母の演技はすごかったです。あの疲れた目、息子への愛情がわかりました。カメラワークもすごくて、さすが、ポン・ジュノ監督だなと思いました。韓国社会的なところもあり、わからない箇所もありますが、恐ろしくて面白い作品だったと思います。