精神科ナースになったわけ

精神科ナースになったわけのレビュー・評価・感想

New Review
精神科ナースになったわけ
8

患者との距離感

精神科のナースになった女性がはじめての精神科でいろいろ戸惑いながら、患者さんと向き合う話です。
ただ、見ているだけだとわからないことの多いこだわりも話を聞いてみたら、ああ、だからなのかとわかったりしていました。
わからないものは怖いってのはほんと真理で、なんとなく精神科って怖い気がするけど、いろいろ理解すると、怖くなくなります。
ほんと、看護師さんは大変な仕事だなあと思いました。
患者さんに寄り添って、看護し、患者さんが死なないようにしないといけないし、だからってかまいすぎると、悪くなることもあるし、でほんとにいろいろ考えなきゃいけないんだなと思いました。
看護師なら、一番近くにと思っていたけど、そういうことじゃないんですな。
距離感が大事なんだなと思いました。
主役の看護師さんは身内の死で、自身がおかしくなったことをきっかけに看護師になった人です。
私自身、疲れ切ってる時に、なんかあると、怒鳴りたくなったり、外で座り込みたくなったりするし、ほんと誰でも精神科に入院する可能性はあるなと思いました。
近頃は心療内科とかカウンセリングも随分、市民権を得たというか、通いやすくはなったと思いますが、もっともっと身近なものになるといいなと思います。

精神科ナースになったわけ
9

行動理由が理解できるまで

ひとりひとりのケースごとの話なので、何話から読んでも話についていけます。自分一人では理解できず、近づけず、立ち向かえないような異常な行動をとる人たち、それぞれに理由があるとは思うのですが、それにこちらがたどり着けるまでいろんな手法があること、偶然気づいたこともあるとしても「そうだったのか!」という衝撃的理由があって、人を思いやることが難しい時、読みたい本です。精神的な病気に対して、中立的な見方というか、感情的に嫌にならない思考ができるよう、参考になる情報だと思います。精神科にかかる人に対する偏見の克服に役立つ情報は、専門的過ぎたり、文字ばかりだったり、病院自体、閉ざされているようですが、マンガでさっと読むことができ、広く理解できるもの見つけて良かったです。精神科病院はどういう内情なのか、ほとんどタブーの世界だと思います。自分だったら精神科にお世話になりたくないし、不安で、怖いところで、つまり何をしてるかわからない場所です。今までよく知らなかった未知の世界に、一人で入っていくのでなく、多くの人と共有できる情報となるマンガで、この世界の理解が一層広まり、治療も良いものが確立してゆくよう願います。