精神科ナースになったわけ

精神科ナースになったわけ

『精神科ナースになったわけ』(せいしんかナースになったわけ)とは、水谷緑によるコミックエッセイ。2017年4月にイースト・プレスの「コミックエッセイの森」レーベルから書籍が刊行された。
普通のOLとして働いていた主人公・太田良枝は、母の病死をきっかけに心のコントロールを失い、通勤中の些細なトラブルを通して自分自身の変化に驚く。「人の心はなぜ、こんなにも簡単に壊れてしまうのか」という疑問から精神疾患に関心を持つようになった良枝は、仕事を辞めて看護師資格を取得、精神科病院で働くことを決意する。しかし、身体の病気とは異なり、症状や回復の度合いが目に見えにくい精神疾患の患者たちと向き合う日々は、想像以上に難しく、忍耐を必要とするものだった。
本作では、精神科に勤務する新人看護師という視点から、境界性人格障害や妄想、幻覚、自殺願望など、さまざまな心の問題を抱える患者たちとの関わりが描かれる。1人1人の患者が異なる苦しみや事情を抱えていることを丁寧に追いながら、「おかしい」と「おかしくない」の境界線はどこにあるのか、誰もが心のバランスを崩す可能性があるのではないか、という、根源的、かつ哲学的な問いを投げかける一冊として話題を集めた。実際の病院や看護師への取材をもとに構成された、精神科医療の現場を身近な視点から知ることのできる作品として人気を獲得している。

kapukapu2のレビュー・評価・感想

精神科ナースになったわけ
9

行動理由が理解できるまで

ひとりひとりのケースごとの話なので、何話から読んでも話についていけます。自分一人では理解できず、近づけず、立ち向かえないような異常な行動をとる人たち、それぞれに理由があるとは思うのですが、それにこちらがたどり着けるまでいろんな手法があること、偶然気づいたこともあるとしても「そうだったのか!」という衝撃的理由があって、人を思いやることが難しい時、読みたい本です。精神的な病気に対して、中立的な見方というか、感情的に嫌にならない思考ができるよう、参考になる情報だと思います。精神科にかかる人に対する偏見の克服に役立つ情報は、専門的過ぎたり、文字ばかりだったり、病院自体、閉ざされているようですが、マンガでさっと読むことができ、広く理解できるもの見つけて良かったです。精神科病院はどういう内情なのか、ほとんどタブーの世界だと思います。自分だったら精神科にお世話になりたくないし、不安で、怖いところで、つまり何をしてるかわからない場所です。今までよく知らなかった未知の世界に、一人で入っていくのでなく、多くの人と共有できる情報となるマンガで、この世界の理解が一層広まり、治療も良いものが確立してゆくよう願います。