漫画「コレットは死ぬことにした」を娘から勧められて読んでみた
アニメ化している作品ですが、漫画の1巻が発売された頃、小学生だった娘にせがまれてタイトルに悩まされ渋々購入した漫画がこちら。全巻揃えて家宝にしてます!
『コレットは死ぬことにした』は、『花とゆめ』に連載されていた、幸村アルトによるファンタジー漫画です。物語の主人公は、異世界の小さな村で医者をしているコレット。過酷な労働に追われる彼女は、「死にたい」と思い立ち、村の井戸に飛び込むことを決意します。しかし、飛び込んだ先は、冥界の入り口でした。そこで冥王ハデスと出会い、コレットは生まれて初めて自分が誰かに頼られる存在であることに気づきます。ハデスと冥界の住人たちとの交流を通じて、コレットは次第に自分を見つめ直し、心の疲れや悩みを解きほぐしていくのです。冥界と現世を行き来しながら、患者を癒すだけでなく、自分自身をも癒していくコレットの成長物語が描かれます。
『コレットは死ぬことにした』は、シリアスなテーマを扱いながらも、柔らかく温かみのあるストーリーが印象的な作品です。主人公コレットは、誰かの役に立ちたい一心で働き続け、心身ともに限界を迎えます。その姿は、現代社会で頑張りすぎる人々の姿と重なり、共感を呼び起こします。しかし、彼女が冥界で出会うハデスやその仲間たちとの触れ合いを通じて、次第に自分自身の幸せや心の癒しを見つけていく姿は、とても心温まるものです。コレットが冥界での生活に少しずつ安らぎを見出し、ハデスとの絆が深まる中で見せる笑顔は、読者にも癒しと希望を与えてくれます。また、ハデスが抱える孤独や葛藤も丁寧に描かれ、ただの「冥王」ではない人間らしさに溢れるキャラクターとして描かれている点も魅力です。
この漫画は、日々の生活に疲れている人、心が少し疲れてしまっている人に特におすすめです。コレットのように、仕事や人間関係に追い詰められてしまいがちな人々が、彼女の成長を通して自分自身を見つめ直し、心の癒しを感じられるでしょう。また、ファンタジー要素が豊富で、ギリシャ神話をモチーフにした独自の世界観も魅力ですので、ファンタジーや神話に興味がある方にも楽しんでもらえるはずです。さらに、恋愛要素も控えめながら丁寧に描かれているため、心温まるストーリーやキャラクターの心の動きを丁寧に楽しみたいという方には最適な一冊です。