隣の影

隣の影のレビュー・評価・感想

New Review
隣の影
9

ぐいぐい引き寄せる映画

アイスランド他ヨーロッパの複数国が出資して作られた作品。
最初、薄暗い朝の時間(おそらく午前4時か5時頃)の薄暗い室内のシーンから始まり、ヨーロッパの暗い映画なのかな…と少しがっかりしたまま見始める。
するとパソコンでエッチな画面を見ている夫が登場し、朝からそんなもの見て…と思うところに今度は妻が登場する。
妻はもちろん夫に怒りをおぼえるが、でもよく見ると、昔夫がつきあっていた元カノとの性交渉を隠し撮りしたデータと判明する。
そして妻はさらに怒りがヒートアップし、夫を家から追い出してしまう。
そして夫が実家に帰る、というところから映画が始まる。
始まりとしての引き込み方がよくて、ぐいぐい引き込まれてしまった。
夫の実家でのことが徐々にメインのテーマにすり替わっていくが、徐々に実家のことがメインになっていく進め方もうまかった。
実家の両親と隣の家の人たちのちょっとしたいさかい、勘違い、思い込みがエスカレートして迎えるラスト。
思い込みのうち1つでも事実と違うとわかっていたら違うラストだったかもしれないとも思う。
勘違い、思い込み、すれ違いの重なりで変化していく人間関係が上手に描かれており、日常の積み重ねからのラストが素晴らしかった。