隣の影

隣の影

『隣の影』(原題:Undir trénu)とは、2017年に公開されたアイスランド、デンマーク、ポーランド、ドイツによる合作のブラックコメディ・ドラマ映画である。ハーフシュテイン・グンナル・シーグルズソンが監督を務め、ステインソウル・フロアル・ステインソウルソンやエッダ・ビヨルグヴィンズドッテルらが出演した。庭の木を巡る些細な隣人トラブルがエスカレートし、予測不能な惨劇へと発展していく不条理な人間模様を描いている。
2017年の第74回ヴェネツィア国際映画祭で初公開され、日本では2018年のSKIPシティ国際Dシネマ映画祭において『あの木が邪魔で』の邦題で上映された後、2019年7月に『隣の影』として一般劇場公開された。アイスランドのアカデミー賞にあたる第20回エッダ賞では作品賞や監督賞など主要7部門を制覇したほか、第90回アカデミー賞外国語映画賞のアイスランド代表にも選出されるなど、国内外で高い評価を受けた。
物語は、郊外の閑静な住宅街を舞台に展開する。老夫婦のバルドウィンとインガは、庭木の日照権を巡って隣家に住むコンラウズとエイビョルグの夫婦と激しい対立を深めていく。精神的に不安定だったインガは愛猫の失踪を隣人の嫌がらせと邪推し、報復として隣家の飼い犬を剥製にしてしまう。この狂気的な行動に端を発して双方の憎悪は決定的となり、コンラウズが問題の木を強引に伐採しようとしたことで、バルドウィンが監視用に張っていたテントが倒壊。その中で眠っていた次男のアトリが命を落とすという悲劇が起きる。息子を失った絶望からバルドウィンが隣家に踏み込んだことで凄惨な殺し合いへと突入し、当事者たちが相討ちの末に命を落とす結末を迎える。

mikan2you0のレビュー・評価・感想

隣の影
9

ぐいぐい引き寄せる映画

アイスランド他ヨーロッパの複数国が出資して作られた作品。
最初、薄暗い朝の時間(おそらく午前4時か5時頃)の薄暗い室内のシーンから始まり、ヨーロッパの暗い映画なのかな…と少しがっかりしたまま見始める。
するとパソコンでエッチな画面を見ている夫が登場し、朝からそんなもの見て…と思うところに今度は妻が登場する。
妻はもちろん夫に怒りをおぼえるが、でもよく見ると、昔夫がつきあっていた元カノとの性交渉を隠し撮りしたデータと判明する。
そして妻はさらに怒りがヒートアップし、夫を家から追い出してしまう。
そして夫が実家に帰る、というところから映画が始まる。
始まりとしての引き込み方がよくて、ぐいぐい引き込まれてしまった。
夫の実家でのことが徐々にメインのテーマにすり替わっていくが、徐々に実家のことがメインになっていく進め方もうまかった。
実家の両親と隣の家の人たちのちょっとしたいさかい、勘違い、思い込みがエスカレートして迎えるラスト。
思い込みのうち1つでも事実と違うとわかっていたら違うラストだったかもしれないとも思う。
勘違い、思い込み、すれ違いの重なりで変化していく人間関係が上手に描かれており、日常の積み重ねからのラストが素晴らしかった。