Kitri / キトリ

Kitri / キトリのレビュー・評価・感想

Kitri / キトリ
10

Kitriの生み出すクラシカルで神秘な世界

京都を拠点に活動するピアノ連弾ユニットKitri。二人は姉妹で活動している。
彼女らの息ぴったりのピアノと囁くような歌はどこか神秘的かつクールで、一度音楽を聴けばその個性あふれる世界観に惹き込まれてしまう。
Kitriの曲はほとんどピアノ・歌・音数の少ないパーカッションやギターで構成されており、ロックやポップ・ミュージックを聴き慣れている人が彼女らの音楽を聴くと、なんだかいつもと雰囲気の違う「美しさ」を感じるだろう。
多くのKitriの楽曲の中ではクラシカルな作曲技法が取り入れられており、Kitriはクラシック音楽愛好者をも虜にしている。
例えば、アルバム「オーパスゼロ」の「real」は、ショパンのエチュードOp.10-4のモチーフに類似した旋律が、変容した揺らぎのあるリズムで反復して使われており、クラシックピアノの練習に打ち込んだことのある人にとっては非常に聴き応えがある曲だ。
その他、シングル「矛盾律」や「羅身鳥」など、名曲は次々と生まれている。
Mona(姉)の歌と作曲、Hina(妹)のコーラスとパーカッション、ギターの音の要素がユニークな音楽性を作り出し、さらにはピアノと歌が技巧的なので、聴く人の心をあっという間に鷲掴みにしてしまうパワーがある。
二人の絶妙なコンビネーションが生み出すKitriの今後の音楽には、今後も注目だ。

Kitri / キトリ
8

懐かしくも新しい、唯一無二の音楽

Kitri(キトリ)は、姉のMonaと妹のHinaから成るボーカルユニット。
ピアノの連弾と姉妹二人のボーカルが奏でる、切なくもあたたかな音楽が特徴です。
姉妹ともにクラシックピアノを学んでいたことから、クラシックの技法をポップスに落とし込むという、斬新な手法で多くの楽曲を生み出しています。

一台のピアノと、二人の女性の声だけで構成されているとは思えない深みのある楽曲は、聴いているととても清らかでリラックスした気持ちにさせてくれます。
クラシックが元ということで、とっつきにくい印象を持たれるかもしれませんが、そこはきちんと現代人に向けた音楽にアレンジされており、個性的だがすっと耳に馴染むメロディーは、聴く人を瞬時にKitriの世界観へと引き込み虜にしてくれるでしょう。

ピアノ一辺倒というわけではなく、二人を見出した大橋トリオがアレンジに参加した楽曲や、妹のHinaがギターやパーカッションを担当した楽曲もあり、常に新しいことに挑戦しているユニットでもあります。

2019年に日本コロムビアからメジャーデビューを果たしたばかりで、映画「“隠れビッチ”やってました。」の主題歌や、アニメ「古見さんは、コミュ症です。」のEDテーマに起用されるなど、じわじわと人気を集めています。

ハマる人にはハマる、そんな独特の世界観を持っているので、興味がある方はぜひ一度楽曲を聴いてみてください。
youtubeで何曲か視聴することが可能です。