Kitri / キトリ

yk1689d6のレビュー・評価・感想

Kitri / キトリ
10

Kitriの生み出すクラシカルで神秘な世界

京都を拠点に活動するピアノ連弾ユニットKitri。二人は姉妹で活動している。
彼女らの息ぴったりのピアノと囁くような歌はどこか神秘的かつクールで、一度音楽を聴けばその個性あふれる世界観に惹き込まれてしまう。
Kitriの曲はほとんどピアノ・歌・音数の少ないパーカッションやギターで構成されており、ロックやポップ・ミュージックを聴き慣れている人が彼女らの音楽を聴くと、なんだかいつもと雰囲気の違う「美しさ」を感じるだろう。
多くのKitriの楽曲の中ではクラシカルな作曲技法が取り入れられており、Kitriはクラシック音楽愛好者をも虜にしている。
例えば、アルバム「オーパスゼロ」の「real」は、ショパンのエチュードOp.10-4のモチーフに類似した旋律が、変容した揺らぎのあるリズムで反復して使われており、クラシックピアノの練習に打ち込んだことのある人にとっては非常に聴き応えがある曲だ。
その他、シングル「矛盾律」や「羅身鳥」など、名曲は次々と生まれている。
Mona(姉)の歌と作曲、Hina(妹)のコーラスとパーカッション、ギターの音の要素がユニークな音楽性を作り出し、さらにはピアノと歌が技巧的なので、聴く人の心をあっという間に鷲掴みにしてしまうパワーがある。
二人の絶妙なコンビネーションが生み出すKitriの今後の音楽には、今後も注目だ。