「普通」を問う作品
「普通ってなんだろう」というテーマを元に作られた作品で、これがなかなか面白かった。
予備校講師である大野康臣(成田凌)と、その生徒・秋本香住(清原果耶)の2人関係。
「勉強」では康臣が教える立場だが、「普通」を教える時は香住が教えているという対立構造。
その2人のやり取りが面白い。
テンポがいいんだよね。
たまにクスッと笑える部分もあるし、あ、これはアドリブで話しているなってところもあるし、性格は相反しているけど相性は良いお似合いな2人だなって思う。
もっとこの2人を見てみたいって思わせるくらい楽しい二人組。
同じことを繰り返さない。思っていることをそのまま口に出さない。難しい言葉、固い言葉を使わない。
普通の会話ってそういうもんだとは言うけれど、そもそもそう言った普通の定義って人それぞれだし、難しい。
だから自分にとっても普通だと思っても周りからしたら普通じゃないことはたくさんある。
そういう意味で、あまり普通に囚われずに自分らしさを出せたらいいんじゃない?というメッセージ性が伝わった。
講演会の小泉さん、なかなかクソ野郎でいい演技。
そして妻も妻。
普通浮気されたら「別れる」でしょ。と思うけど妻の中ではこの状況では「別れない」のが普通なんだろうな。
だから自身の普通を押し付けず、彼女の選択に否定せずに受け止めた大野(成田凌)が1番まともなのかもしれないね。
難しい内容ではなく、面白く、すんなり見れ、尚且つテーマが身近にある事なので、とてもオススメできる作品だと思う。