いのちの停車場

いのちの停車場

『いのちの停車場』(いのちのていしゃじょう、いのちのていしゃば)とは、南杏子による日本の医療長編小説。2020年5月27日に幻冬舎より書き下ろしで単行本が刊行された。救急医療の第一線から訪問診療の現場へと足を踏み入れた女性医師の姿を通し、超高齢社会が直面する終末期医療の在り方や安楽死の可否といった、現代医療の重大なテーマを描き出す作品である。2021年後期からは、後日譚を描いた続編『いのちの十字路』が各新聞にて連載されている。
物語の主人公である62歳の医師・白石咲和子(しらいしさわこ)は、長年勤めた都内の救急救命センターを辞し、故郷である金沢へと帰郷する。在宅医療に特化した「まほろば診療所」に身を置き、訪問診療医として再スタートを切る咲和子であったが、救急現場との差異や在宅医療特有の壁に突き当たり、当初は大きな戸惑いを覚える。しかし、診療所の仲間に支えられながら様々な患者のもとへ足を運ぶうちに、患者一人ひとりの生活や想いに寄り添う医療の真髄を見出していく。そうした折、同居する実父が病に倒れ、激痛に苦しむ父から「安楽死」を強く望まれることとなる。医療に従事する者としての使命と、娘としての深い愛着との間で激しく揺れ動く咲和子は、苦渋の末に一つの答えを導き出す。
2021年5月21日には実写映画版が公開された。映画版は重厚なテーマ性とキャストの熱演が高く評価され、第45回日本アカデミー賞において優秀監督賞、優秀主演女優賞、優秀助演女優賞、優秀音楽賞、優秀美術賞、優秀録音賞、優秀編集賞の計7部門で優秀賞を獲得した。

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