ロスト・ボディ

ロスト・ボディのレビュー・評価・感想

ロスト・ボディ
10

スペイン映画の流行る理由がまさにこれ

このレビューはネタバレを含みますので大いに注意してください。

妻を亡くした夫が真夜中に警察署に呼び出されます。妻の遺体が安置所から消えてしまったとのことで、それから起きる不可解な現象や、妻が生きているとしか思えない事実、疑惑、死の真相など、「合理性ってなんだったっけ?」という不思議な感覚が味わえる不気味な作品になっています。
2017年にNetflixで配信され大いに流行ったスペインドラマの『ペーパーハウス』を皮切りに、その後もどんどんスペイン産の話題作が日本にもやってきているのですが、この作品も話題になったスペイン映画の一つで、画は地味だけどシナリオの作り込みが非常に丁寧で見るものを引き込んでいくという、スペイン映画の特徴を持った作品です。
主人公は『ペーパーハウス』でお馴染みのアルバロ・モルテです。優しそうで穏やかな見た目とは裏腹に出演する作品はシリアスな物が多く、『ペーパーハウス』の時よりも表情に哀愁を帯びはじめたような気がします。

さて、ここまでは明らかなネタバレをあえてしてきませんでしたが、時間のないあなたが映画をスムーズに見られるよう、お助けします。刑事さんに注意して映画を見てください、不可解な現象との関係は何でしょう?直前には何を話していましたか?その時刑事さんは何をしていましたか?そしてその時の主人公の表情にも注目して見てください。
ありえないことが起きて、起きたことがありえないことになっています。不可解を映像にして見せられるような感覚を、どうか楽しんでください。