風をつかまえた少年 / The Boy Who Harnessed the Wind

風をつかまえた少年 / The Boy Who Harnessed the Windのレビュー・評価・感想

風をつかまえた少年 / The Boy Who Harnessed the Wind
6

真面目な作品だった。

アフリカの農家が舞台の話で実話ベースです。頭がいいけど、家が貧乏で学校を辞めなきゃいけなくてという貧困問題を扱っていて、ああ、ほんとこの問題はどうにかしないとなと思いました。でも、主人公の子は、なんで家の農業がダメになったのか、考えて、乾期でも水が負けるように風車で電気を貯めようとか考えたりして、すごくバイタリティに飛んでるなと思いました。やっぱり好奇心は世界を救う、そういうものなのかもなと思いました。
ただ、風車を作ればいいんだというのがわかっても、そこか、なかなか理解を得られず、ちょっと話が進まなかったし、それまでの貧困の様子とか、父親の無学であることへの悲しみとか、結構暗い映画でした。これが真実なんだし、何も間違ってはいないと思いますが、映画としてみると、あんまりワクワクするとかそういう類の映画ではなく、教育ドキュメンタリーのようでした。それはそれでいいのですが、思ってたのと違うと思いました。
でも、ちゃんと本当の舞台であるマラウイ共和国で撮影していたり、、役者さんも地元出身の人たちを起用してたり、現地語を使っていたりして、すごくリアルで良かったと思います。勉強の大切さを教えてくれる映画だと思います。

風をつかまえた少年 / The Boy Who Harnessed the Wind
10

学ぶ事と実践の大切さ

Netflixオリジナル映画です。アフリカのマラウイで必死に生きるウィリアム一家が主人公です。苦しい食糧事情はウィリアムも例外ではなく、彼の家庭も干ばつで大きな被害を受け、学校に授業料さえ納められなくなってしまいます。それでも試行錯誤し、姉の恋人を上手く利用しながら、独学で風力発電の研究を進めます。
知恵の力の大切さ、諦めない心の大切さがひしひしと伝わる映画です。
後半、「風力発電装置を使う為には、父の自電車を使わなければならない」と父に直訴するも激怒されてしまうシーンは、心が痛いです。父自身も必要な事であると理解しているのに最後の一歩が踏み出せない。このシーンは本当に鬼気迫る演技で名場面だと思います。しかし最後にはウィリアムの事を理解し、父自身の自転車を風力発電装置に使うことを許します。装置を作り起動させ、段々と水が畑に運ばれて流れて行くのと共に涙を流しながら抱き合う父とウィリアムのシーンは、涙無しには見られません。「“長い夜が明ける”とはこの事だ」と感じる場面です。
自伝をベースにした映画なのですが、是非原作も読んで下さい。もっと詳細に描かれており、より感情移入する事が出来ます。本当に近年稀に見る素晴らしい映画だと思います。