かつてフランスの華と呼ばれた、悲劇の運命を迎えた王妃「マリー・アントワネット」。平民出身でありながら彼女のドレスを作り続け、王妃からの寵愛を受けた一人の仕立屋がいた。彼女の名前は「ローズ・ベルダン」、現代ファッションデザイナーの祖ともいわれる彼女は、王妃マリーアントワネットの運命と共に数奇な運命を迎えることとなる。
このお話しはかつてのフランス、ベルサイユ宮殿で美しく咲き誇った王妃「マリー・アントワネット」のドレスを仕立て続けた一人の仕立屋「ローズ・ベルダン」の生涯について語るストーリーとなっています。
フランス王妃「マリー・アントワネット」について書かれた漫画や作品は多くありますが、彼女のドレスを作る仕立屋について語る作品はほとんどなく、とても珍しい漫画です。お話は彼女がまだ一人の平民、ただのお針子だった所からはじまり、次にパリを舞台に底辺のお針子から仕立屋としてなりあがっていく過程を描き続けます。
ストーリーの中で、ベルダンを中心にドレスだけでなく様々な人間関係が描かれていきます。王妃マリー・アントワネットだけでなく、ベルダンの腕を最初に試す女性はのちのデュ・バリー夫人(ルイ15世の公妾)として登場します。
そしてこの漫画で何より目を引くのは、ベルダンの作る美しいドレスの数々です。ロココ調の美しいドレスは勿論、当時のレースや生地について細かな特色を踏まえつつ、かつての流行についてもしっかりと描かれています。特に当時フランスで流行していたアジア文化を取り入れた「シノワズリ」をテーマに作り出すドレスなどは一見の価値があります。
ドレスや服が好きな方には是非読んで頂いて間違いない、素晴らしい作品です。