庶民からみたフランス革命
マリー・アントワネットのお抱えデザイナーだったローズ・ベルタンの物語です。
無名だった田舎のお針子から、王妃のデザイナーまで上り詰める物語ですが、貴族ではなく一般市民からみた当時のフランスの様子が鮮やかに描かれています。
当時の風俗・ことわざなども端々にちりばめられていて、よくここまで調べたなという印象です。
フランス革命の漫画というと『ベルサイユのばら』が真っ先に思い浮かびますが、違う目線で描かれており、『ベルサイユのばら』では描き切れなかった部分が描かれている印象です。
『ベルサイユのばら』では、マリー・アントワネット目線で描かれていたため、ルイ15世の愛妾デュ・バリュー夫人が悪い印象を与えますが、こちらの作品ではマリー・アントワネットとデュ・バリュー夫人が公平に描かれていて、賢く美しい二人の魅力が詰まっています。フランス革命の時代が好きという人はとても楽しく読める作品です。
そして、この作品の魅力の一つは主人公がデザイナーである故に出てくるたくさんのドレスです。こちらもかなり時代考証がしっかりしていて、美しく描かれています。様々な難問に直面しながら、ベルタンがどのようなドレスをデザインするのか楽しみながら読めます。当時のファッションの流行、庶民の服装などもたくさん登場します。