WHITE ALBUM2

WHITE ALBUM2のレビュー・評価・感想

WHITE ALBUM2
10

胃が痛くなる名作

この作品の最大の特徴は人間模様の丁寧な描写です。脚本は「冴えカノ」などでも有名な丸戸史明氏。3人の男女の恋愛模様をこれでもかというくらい丁寧に描写していきます。生死にかかわるようなことは起きませんが、誰もが不安定で鬱になります。このゲームをプレイして胃に空いた方もいるくらいですが、文句なしの名作です。
前作「WHITE ALBUM」と物語自体につながりはなく、世界設定は共通していますが、何年も経過した時代になっているので、前作未プレイでも楽しめます。
もちろん前作をプレイした方は、三角関係の恋愛や冬が舞台ということも共通していたり、人物名や楽曲名など、前作を知っているとニヤリとしてしまう要素もあり、楽しめること間違いなしです。
このゲームの最大の見どころは主人公の親友です。主人公が2人の女性の間で揺れ動いている間も常に味方でいてくれ、時に本気で怒ってくれます。このゲームをプレイして、この人物を嫌いになる人はおそらくいないでしょう。
不安定な三角関係やそれにかかわる人間模様が見たい方は、ぜひプレイしてみてください。本作は高校生編、大学生編、社会人編と通常の青春時代に比べ、さらに時間が進みます。登場人物の半生を見ることができる、おすすめの作品です。

WHITE ALBUM2
9

浮気男の学生~社会人時代を体験できるギャルゲー

PS3とPSVitaで発売されたギャルゲーです。
元々PCのエロゲーですが、本レビューは移植後のコンシューマ版となります。従ってエロシーンは評価対象外です。

本作品は、主人公の男の高校時代から社会人になりたてくらいまでの人生を追体験できるゲームです。
そもそも学生時代と社会人時代の両方を連続性のある世界観で楽しめるギャルゲー自体が少なく、あったとしても、社会人時代の描写は学生時代に選択したキャラとイチャイチャするだけのものがほとんどですが、この作品は社会人編においてもヒロインの選択肢がある上、選ばなかったキャラもストーリーにかなり絡んでくるので、複数ルートにおいてかなりのボリュームがあります。
その上、学生時代も高校編と大学編に分かれており、それぞれ選択できるヒロインが異なる(高校編からの共通+大学編で数名追加)ので、学生時代編のボリュームも相当なもので、本編の全てのストーリーをプレイし終わるにはかなりの時間を要します。
更に、ラジオドラマやショートストーリー等が追加収録されているので、この作品のボリューム感は相当なものです。

具体的なことはネタバレになるので伏せますが、物語の展開もリアリティをうまく出しており、この主人公のような複数女性と長い付き合いを持つような人生を歩めなかった男性にはかなり新鮮で大いに楽しめる・感動できる内容だと思います。
恋愛にとどまらず、長年に亘る異性との友情・愛情・信頼の断絶を疑似体験したい方はとりあえずこのゲームをやるとそれなりに満足できると思います。

名作なだけあって新品・中古価格ともにあまり安くなっていませんが、数千円出してもプレイする価値はあると思いますので、お勧めします。