人物が個性的
主人公の病理医・岸京一郎を中心に、医学の問題を一緒に考えることができる漫画だと思います。毎回、次回の話が気になる興味深いストーリーになっていると思います。シリアスな場面と、コミカルな場面がバランス良く組み込まれており、飽きずに読み進めることができます。岸京一郎の性格もさることながら、登場する周囲の人物もとても個性的です。マスコット的役割もありそうな、まっすぐで一生懸命の駆け出し病理医の宮崎医師や、スーパー臨床検査技師の森井さん、そしてこの三人のやり取りなどが、物語にさらに明るさを加えていると思います。宮崎医師の存在は、医学のことに知識がない読者にも親近感を与えてくれると思います。森井さんはいつも完璧に仕事をこなすので、いつ読んでもスッキリと歯切れがいいです。そして主人公の岸京一郎は、性格こそ頑固一徹で社会性に欠ける点があるけれど、病理に対する真剣な姿勢と鋭い観察眼が、読んでいて面白いです。そしてなにより、「安心して医師としての判断を任せられる」と感じます。病院目線、医師目線、患者目線、さらには製薬会社目線でも読み進めることができる、興味深い漫画だと思います。
ちなみに単行本の途中に読める四コマ漫画もちょっとした楽しみや息抜きになって良いです。