生活保護行政の入門書
新卒公務員である主人公『えみる』が、福祉事務所に配属され、『ケースワーカー』という生活保護の業務に携わる漫画。
ケースワーカーは、無数の部署や仕事がある役所の中でも比較的ハードとされる業務である。
そんな重責を入庁早々に任され、悪戦苦闘しながらも主人公が成長していく描写は経験者からしても説得力があり、新人ケースワーカーの入門書としては勿論、一般人にとっても生活保護の概要を知ることのできる作品と言える。
また、この漫画は2018年の7月17日から9月18日にかけてドラマ化されており、漫画と併せて視聴することでより、生活保護の実態を知ることができる内容となっている。
『生活保護』というと、世間では不正受給のことばかりが大々的に報道されている印象がある。
この漫画の主人公と同様に、役所に入って早々ケースワーカーを任された経験者として言えるのは、大多数の人々がやむにやまれぬ事情から生活保護を受給するに至り、それぞれが自立に向けて努力しているということ。
その点でこの漫画はかなり中立的で、非常に評価できる。
地方公務員(特に市役所)への就職・転職を考えている人、貧困等から生活保護の受給を考えている人、公務員を税金泥棒と見くびっている人、その他色んな方にオススメの作品だ。