マダム・プティ

マダム・プティ

『マダム・プティ』とは、白泉社の『別冊花とゆめ』にて2012年6月号から2018年2月号まで連載された高尾滋による漫画作品である。全54話。作者の高尾滋が同誌で連載を持つのは本作が初となる。単行本は白泉社の花とゆめコミックスより全11巻が刊行されている。
物語の舞台は1920年代末。16歳の主人公・万里子(まりこ)は、亡き父親が残した莫大な借金を返済してもらうことと引き換えに、30歳年上である父親の親友・青山 俊(あおやま しゅん)と結婚する。まだ恋を知らない万里子だったが、幼少期から憧れの存在であった俊の妻になれたことを純粋に喜び、夢のような心地に浸っていた。俊はそんな万里子のためにパリへの新婚旅行を計画し、2人はトルコからオリエント急行へと乗り込む。車内で万里子は俊の仕事仲間たちに紹介され、その中でインド人貴族の青年・ニーラムと出会う。しかし翌朝、俊が自室で遺体となって発見されたことで、華やかな旅路は急転する。実はこの事件は俊の友人らによる工作であり、俊は実際には生存しており、恋人と駆け落ちを遂げていたのであった。さらに万里子は、車内で出会った傲慢な青年ニーラムの正体がインド藩王国の第二王子であること、そして彼が自身の兄を殺害しようと画策しているという衝撃的な事実を知ることとなる。

マダム・プティのレビュー・評価・感想

マダム・プティ
10

優しく、誇り高い少女に惹かれること間違いなし

マダム、というとお上品でお金持ちで都会に豪華な家を構えているような女性を想像するかもしれません。でも、こちらの作品に登場するマダムことマリコはまだほんの16歳の少女です。フランス語が堪能で、ある男性と結婚するために列車に乗るのですが、その男性が行方不明になってしまいます。マリコは傷つき、「愛ってなんだろう…。」と考えるようになるのですが、そこにインドの超お坊ちゃま、ニーラムが現れます。彼はインドのある藩国の王子で、周りの人々から「陛下」と呼ばれる存在。初めてマリコに会った彼は「ある目的」を達成するには都合の良い存在が現れた、とほくそ笑みます。そして、彼女に近づいていくのですが、そこでマリコの人柄を知り、どんどん惹かれていってしまうのです。マリコは幼いながらももう凛とした一人の大人の女性であろうとしていて、本当に芯があり気高く、それでいて全ての人に躊躇いなく温かい手を差し伸べる、誰もがその虜になってしまうような女性です。そんなマリコにニーラムが惹かれていくのは至極当然だと思います。このお話は、ただのラブストーリーではなく、その他にも胸が痛んだりハラハラするような要素も多く持ち合わせています。1巻を読み終える頃には、すっかりこの物語とその登場人物たちの虜になっているに違いありません。