マダム・プティ

マダム・プティのレビュー・評価・感想

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マダム・プティ
10

優しく、誇り高い少女に惹かれること間違いなし

マダム、というとお上品でお金持ちで都会に豪華な家を構えているような女性を想像するかもしれません。でも、こちらの作品に登場するマダムことマリコはまだほんの16歳の少女です。フランス語が堪能で、ある男性と結婚するために列車に乗るのですが、その男性が行方不明になってしまいます。マリコは傷つき、「愛ってなんだろう…。」と考えるようになるのですが、そこにインドの超お坊ちゃま、ニーラムが現れます。彼はインドのある藩国の王子で、周りの人々から「陛下」と呼ばれる存在。初めてマリコに会った彼は「ある目的」を達成するには都合の良い存在が現れた、とほくそ笑みます。そして、彼女に近づいていくのですが、そこでマリコの人柄を知り、どんどん惹かれていってしまうのです。マリコは幼いながらももう凛とした一人の大人の女性であろうとしていて、本当に芯があり気高く、それでいて全ての人に躊躇いなく温かい手を差し伸べる、誰もがその虜になってしまうような女性です。そんなマリコにニーラムが惹かれていくのは至極当然だと思います。このお話は、ただのラブストーリーではなく、その他にも胸が痛んだりハラハラするような要素も多く持ち合わせています。1巻を読み終える頃には、すっかりこの物語とその登場人物たちの虜になっているに違いありません。