リビルドワールド

リビルドワールドのレビュー・評価・感想

リビルドワールド
10

超高度文明の遺産を求め成りあがるスラム孤児の軌跡を見逃すな!

サイバーパンクな世界は好きですか?
超高度な文明が栄えているのに一転して超貧民街が強大な都市を取り囲む構図、夜はネオンが輝き、陰謀がうごめき、誰かが死んで、伝説となる。そしてまた、伝説になるためにまた立ち上がる者たちが後に続く。クールでしびれるこの世界観、これがたまらないです。
この『リビルドワールド』はそこに一味違うスパイスが入ってきます。この世界には旧世界と呼ばれるかつて栄華を誇った超高度文明が存在したのです。倫理観の欠如により、滅んでしまいました。
しかし、かつての旧世界の都市は遺跡として残り、旧人類が滅んだ後も超高度AIが都市の機能を維持し続けています。つまり、旧世界の技術を持って作られた遺物がまだ残っているのです。新人類はそれを求め遺跡に乗り出しました。しかしそこには、かつての実験生物が繁殖したり、防犯機能が暴走し人を殺害するまでに至った危険な機械生物がはびこり、並の人間では到底生きて異物を持ち帰ることができません。そこで能力を生かし、運も使い、旧世界の遺物を持ち帰ることを職業とした者たちを「ハンター」が活躍します。
主人公アキラはスラムの孤児出身ながらも、どうせこの場で野垂れ死ぬくらいならハンターになろうとたった1丁の拳銃を手に、遺跡に向かいます。そこで彼は運命の出会いを果たすのです。

そこから始まった彼の成り上がりの物語。彼はこのままサイバーパンクらしくありきたりな伝説となるのか。それともまた別の結末をたどるのか。目が離せません。是非とも呼んでほしいマンガです。

リビルドワールド
5

リビルドワールド

原作はWEBサイト小説家になろうで連載中の同名の小説です。
漫画は絵が美しく、物語がテンポ良く進んでいきます。しかしながら、漫画だけではこの物語の魅力を理解することは難しく、原作の小説を読んでから、もしくは読みながら漫画を読むことが推奨されます。

物語は、未来が部隊のSFです。
重火器で武装したハンターと呼ばれる人間が、滅んだ文明の遺産である遺物を求めて、現在も稼働する旧世界の技術で生産されたモンスターと呼ばれる存在であふれた遺跡に向かいます。この世界で遺物の価値は高く、非常に高値で取引されるものもあります。
クズスハラ都市のスラム街の路上で寝泊まりするアキラという少年が、現状から脱却するための一攫千金を求めて、拳銃1丁を持って遺跡に潜ります。そこでアルファと呼ばれる女性型の映像だけの存在と出会う。アルファは他のハンターからは見ることが出来ず、アキラにだけ見えています。そこでアルファからあらゆる面でのサポートを前払い金として、ある遺跡の攻略を依頼されます。

アルファのおかげで遺物の収集が可能になったために、格上のハンターに付け狙われたり、強盗まがいのハンターに襲われている女性ハンターを助けたりとスリリングな展開が楽しめます。小説が秀逸なだけに、漫画だけでは勿体ないという印象です。よって評価は5としました。