力人伝説 -鬼を継ぐもの-

力人伝説 -鬼を継ぐもの-

『力人伝説 -鬼を継ぐもの-』(ちからびとでんせつ おにをつぐもの)とは、原作:宮崎まさる、画:小畑健による日本の漫画作品。大相撲を題材とした伝記的漫画であり、『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて1992年52号から1993年23号まで連載された。
1992年1月場所を制し、当時「若貴フィーバー」として大きな社会現象や大相撲ブームを巻き起こしていた若花田(後の第66代横綱・三代目若乃花勝、現:花田虎上)と貴花田(後の第65代横綱・貴乃花光司)の兄弟を主役に据えた作品である。物語は、当時貴花田であった貴乃花が、昭和最後の大横綱である千代の富士を破った歴史的な大一番の描写から始まり、若貴兄弟の幼少期の成長譚から相撲の世界へと入門するにいたるまでの軌跡を追っていく。
劇中では兄弟の生い立ちのみならず、彼らの父であり師匠でもある貴ノ花利彰(初代貴ノ花)や、伯父の若乃花幹士(初代若乃花)、そして最大のライバルとして立ちはだかった曙太郎など、相撲史に名を残す重要人物たちのエピソードも交えながら、過酷な勝負の世界で「鬼」の血筋を継ぐ者たちの奮闘が描かれている。

力人伝説 -鬼を継ぐもの-のレビュー・評価・感想

力人伝説 -鬼を継ぐもの-
6

なければ作ればいい

若貴兄弟を題材にした実録作品で、作画は『DEATH NOTE』の小畑健先生です。兄・若乃花と弟・貴乃花の若貴兄弟は、90年代前半の大相撲界だけでなく、日本スポーツ界の主役でした。若貴兄弟と両親の花田一家は、『平成の理想的な家族』とよく言われたものです。当然この作品も、理想の家族を題材に、とても美化して描かれています。これから10年以上先の花田一家の離散ぶりを見ていると、まさに隔世の感があります。その中から、この作品で一番好きな、兄弟のトンデモエピソードを紹介します。ある日、若貴兄弟が外を歩いていると、やくざ風の男たちから因縁をつけられます。もちろん兄弟は強いので、普通に戦えば即座に倒すことが出来るでしょう。しかし、男たちは「暴力を振るったら問題になるぞ」と脅してくるのです。そこで兄弟が取った行動は、驚くものでした。道の上に円を描いて、土俵代わりにしたのです。そして、「この中でなら受けて立つ。俺たちは、土俵の上なら命を張れるんだ」と凄んできたのです。これには男たちもたじたじに。あっという間に逃げていきました。土俵がなければ作ればいい。今ならば問題になったに違いありませんが、そういう話も特にありません。それこそ、若貴人気が凄まじかったからでしょう。今ではとても信じられません。