ミスター・ノーボディ

ミスター・ノーボディのレビュー・評価・感想

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ミスター・ノーボディ
10

西部劇初心者もマニアも楽しめる!

主人公、『ノーボディ』が憧れの伝説の老ガンマンに付いて回り、やがて彼と150人のワイルドパンチという悪党集団との決闘を実現させるべく奮闘する、という内容。西部劇といえば血生臭くで暴力的、というイメージを持つ人が多いと思うが、主人公の飄々とした性格と、コメディタッチな表現、出血表現の少なさが特徴の本作は、その常識をぶち壊しており、西部劇初心者にもおすすめできる作品になっている。だからといって、単に表現がマイルドになっている、というわけでもない。西部劇ファンも胸躍るガンアクションもしっかりと抑えており、ノーボディや老ガンマンの射撃の腕は、本作の見どころのひとつだ。そして、終盤の決闘シーン。『エンリオ・モリコーネ』作曲の勇壮なBGMが流れる中、ワイルドパンチの軍団を遠くに迎え、ライフルを手に取る老ガンマンの後姿は、熟練の勝負師たる風格を思う存分見せつける。圧倒的不利と思われる勝負を見守る、ノーボディ。臆することなく敵と対峙する、老ガンマン。絶望的な戦力差に勝利は不可能と思われたが、隙をつき、次々とワイルドパンチを撃破していく。このときの派手な爆破シーンは、流行りのCGにはない、迫力がある。ワイルドパンチを壊滅させた老ガンマンが、ノーボディとともに、盗んだ汽車で遠くの街へ旅立つ。そして老ガンマンは、念願の隠居生活を手に入れるという、ハッピーエンドだ。興味を持った方は、是非見て頂きたい。