SHAME -シェイム-

SHAME -シェイム-

『シェイム』(SHAME -シェイム-)とは、2011年に公開されたイギリスの心理ドラマ映画である。ニューヨークを舞台に、重い性的依存症を抱える現代人の孤独と精神の葛藤を描いた本作は、スティーヴ・マックイーンが監督を務め、アビ・モーガンと共に脚本を手がけた。主演のマイケル・ファスベンダーとキャリー・マリガンが、心に深い傷を負い互いに依存し合う兄妹役を体当たりで演じ、Film4とSee-Saw Filmsが共同製作を担当した。主人公の苦悩を表現するための非常に露骨な性的描写が含まれることから、アメリカでは過激な成人向け区分であるNC-17指定を受けたが、その妥協のないリアルな描写と演出、演者の圧倒的な演技力は世界中で大絶賛された。
物語の主人公ブランドン・サリバンは、ニューヨークのオフィスで働く有能なエグゼクティブでありながら、裏では売春婦との情事やポルノ、毎日の執拗な自慰行為といった、激しい性的依存から抜け出せずにいた。彼の生活は一見、規則正しくコントロールされているように見えたが、ある日、情緒不安定な妹のシシーがアパートに転がり込んできたことでその歪んだ均衡が崩れ始める。ラウンジシンガーとして活動するシシーは、兄の寝室でブランドンの上司と肉体関係を持つなど奔放に振る舞う一方で、腕には自傷行為の痕があり、他者からの愛を激しく渇望していた。自身の内面や依存の現実を妹に直視させられることに耐えかねたブランドンは、次第に激しい嫌悪と怒りを露わにし、二人の関係は修復不可能なまでに悪化していく。
シシーをアパートから冷酷に追い出した後、ブランドンの精神はさらに崩壊へと向かう。同僚の女性との真摯なデートでは性的に不能に陥る一方で、匿名の相手やゲイバー、売春婦たちとの無機質で自虐的な乱交へと溺れていく。しかし、ボロボロになりながら戻った自宅の浴室で、手首を切って血まみれで倒れているシシーを発見したことで事態は急転する。病院に搬送され一命を取り留めた妹の前で、ブランドンはこれまでの冷淡な仮面を脱ぎ捨て、むき出しの愛情で彼女を看病する。退院後、再び地下鉄に揺られるブランドンの前に、かつて目を合わせた既婚の女性が再び現れて見つめ返してくるシーンで物語は幕を閉じ、彼の終わりなき依存と、わずかな救済への兆しを余韻とともに残している。
本作は同年の映画賞レースを席巻し、特に主演のマイケル・ファスベンダーは第68回ヴェネツィア国際映画祭で最優秀男優賞(ヴォルピ杯)に輝いたほか、ロサンゼルス映画批評家協会賞、ロンドン映画批評家協会賞、英国インディペンデント映画賞など数々の主演男優賞を軒並み受賞し、ゴールデングローブ賞や英国アカデミー賞(BAFTA)でもノミネートされるなど一躍トップスターとしての地位を不動のものにした。また、妹役のキャリー・マリガンもデトロイト映画批評家協会賞などで最優秀助演女優賞を受賞し、ヨーロッパ映画賞では最優秀編集賞(ジョー・ウォーカー)や最優秀撮影監督賞(ショーン・ボビット)を獲得するなど、スタッフワークの面でも極めて高い芸術性が認められた。

SHAME -シェイム-のレビュー・評価・感想

SHAME -シェイム-
9

主人公の恥じていることを扱った映画

セックス中毒の兄(マイケル・ファスベンダー)と恋愛依存症の妹(キャリー・マリガン)がそれぞれに抱える心の傷(恥)について扱った映画です。

終始、主人公(マイケル・ファスベンダー)が行きずりの女性(時には男性)とセックスをしている映画です。
セックスシーンもエロさはなく、主人公がセックスをしているシーンの表情は、どれも苦しみに悶えて、痛みを感じているようにも受け取れます。

主人公はセックスをすることによって、心に抱えた傷(恥)から現実逃避しているようにも感じました。

何故、この兄妹は心に傷(恥)を負うことになったのかはラストまで明確には説明されませんが、具体的なことはネタバレになるので書きませんが、恐らく、この兄妹が育った生い立ちに関係していることが示唆されます。

映画の全体的なトーンは、常に暗く乾いた雰囲気でアクが強い作品のため、観る人を選ぶ作品です。しかしどんよりと暗い雰囲気の中にも主人公の葛藤や苦悩が描かれているため、全く退屈しない、むしろ主人公の痛みがひしひしと伝わって来るような映画でした。

マイケル・ファスベンダーとキャリー・マリガンの演技力に改めて驚いた作品でした。
まだ観たことがない方はぜひ観るべき映画だと思います。