SHAME -シェイム-

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9

主人公の恥じていることを扱った映画

セックス中毒の兄(マイケル・ファスベンダー)と恋愛依存症の妹(キャリー・マリガン)がそれぞれに抱える心の傷(恥)について扱った映画です。

終始、主人公(マイケル・ファスベンダー)が行きずりの女性(時には男性)とセックスをしている映画です。
セックスシーンもエロさはなく、主人公がセックスをしているシーンの表情は、どれも苦しみに悶えて、痛みを感じているようにも受け取れます。

主人公はセックスをすることによって、心に抱えた傷(恥)から現実逃避しているようにも感じました。

何故、この兄妹は心に傷(恥)を負うことになったのかはラストまで明確には説明されませんが、具体的なことはネタバレになるので書きませんが、恐らく、この兄妹が育った生い立ちに関係していることが示唆されます。

映画の全体的なトーンは、常に暗く乾いた雰囲気でアクが強い作品のため、観る人を選ぶ作品です。しかしどんよりと暗い雰囲気の中にも主人公の葛藤や苦悩が描かれているため、全く退屈しない、むしろ主人公の痛みがひしひしと伝わって来るような映画でした。

マイケル・ファスベンダーとキャリー・マリガンの演技力に改めて驚いた作品でした。
まだ観たことがない方はぜひ観るべき映画だと思います。