クイーンズ・クオリティ

クイーンズ・クオリティのレビュー・評価・感想

クイーンズ・クオリティ
10

誰もが共感できる作品

この漫画は”人の心の掃除”をする掃除屋の話で、人が抱える悩みや過去、トラウマなど、
誰もがちょっと心が「ウッッ」ってなってしまうような出来事や感情を綺麗に掃除いていく物語です。
ファンタジーな世界の中にリアルな人間の心情が描かれており、誰もが共感できる作品だと思います。

この漫画の中で一番好きな言葉が『荒波の中ではただふてぶてしくあれ』です。
この言葉は壮絶な人生を歩んできた主人公の幼少期を育ててくれた”先生”の言葉です。
また、それをうけた主人公がどんな逆境や理不尽に立たされても卑屈にならず、
むしろ「”これでわたしを挫いたつもりか”と襲いくる理不尽を上から見下して笑ってやるんだ」という主人公の強い気持ちを描いた言葉で、
この漫画のみならず、人々が生きてく上で必ず訪れる理不尽や逆境を乗り越えさせてくれるような強いセリフに心が打たれました。

また掃除屋は人の心を掃除する際に、その対象者の心の闇に飲み込まれないよう強い信念や思いを念じないと掃除できないのですが、
人の心の掃除はそんな自分の信念や思いすらも疑ってしまうくらい過酷な状況です。
その状況を乗り越えるための修行や教えが、”日々の掃除をきちんと丁寧にこなす”という風に描かれていて、
日々の行動や習慣が自信や信念に繋がっていくというところもとても考えさせられました。
ファンタジー要素の中に人としての大事なものが詰まった作品で、本当にすべての人におすすめしたいです。

クイーンズ・クオリティ
10

大人が楽しめる少女漫画

クイーンズ・クオリティは最富キョウスケ先生の作品で、ベツコミで連載されている少女漫画です。
この漫画は、少女漫画ですが、シリアスな内容もかなり多く含まれていて、大人が楽しめる少女漫画という感じがします。内容がヘビーなので、何度も何度も読んで、その度に新しい発見があり、読めば読むほど面白くなる作品だと思います。少女漫画の要素もしっかりと盛り込まれていて、キュンキュンして、もどかしくて、ドキドキさせてくれるので、大人が楽しめる恋愛漫画としてこれ以上の漫画はないと思っています。
主人公の文が自分が女王(クイーン)であることを自覚して、その運命を受け入れて真のクイーンを目指す姿は、とても強くて格好いい女の子という感じで、同性としてすごく応援できる姿です。また、文の「つれあい」としてだけでなく1人の男として側にいる玖太郎は、コミュ糞(コミュニケーションが下手糞という意味)の度合いが半端ないけど、文のことを誰よりも想って、文を守る姿がめちゃくちゃ格好いいです。
堀北家を中心とした玄武門の人々もいい人ばかりだし、はじめは敵だったアタルも今ではかなりの強い味方となっているし、どんどんストーリーが進むにつれて目が離せません。また、最富先生の前作「電撃デイジー」の登場人物がたまに出てくるところもファンとしては注目度の高いポイントです。