用心棒

用心棒

『用心棒』とは、黒澤明監督による1961年に公開された日本映画である。主演は三船敏郎。脚本は菊島隆三と黒澤明の共同執筆であり、ダシール・ハメットのハードボイルド小説『血の収穫』を参考に書かれている。
舞台となる馬目の宿では、縄張りの相続をめぐって一つの宿湯に二人の親分が対立していた。そこにあらわれた主人公の桑畑三十郎(くわばたけさんじゅうろう)と名乗る得体の知れない浪人者が上手く立ち回り、二人の対立する親分同士を衝突させて壊滅させていくという痛快娯楽時代劇である。望遠レンズが効果的に使われた迫力ある撮影や、従来の時代劇にはなかった斬新かつ残酷な描写、そしてリアルな殺陣も取り入れている。
この作品で三船敏郎はヴェネツィア国際映画祭男優賞を受賞し、ブルーリボン賞主演男優賞受賞。作品は第35回キネマ旬報ベスト・テン第2位を受賞。2005年にタイム誌が発表した「史上最高の映画100本」にも選出されている。
1962年には黒澤明監督による続編『椿三十郎』が作られた。
海外でも高く評価されており、1964年にはセルジオ・レオーネ監督のマカロニ・ウエスタン『荒野の用心棒』で非公式にリメイクされている。

用心棒のレビュー・評価・感想

用心棒
10

時代劇映画の流れを変えたといわれる痛快作!

この男は、とても不思議な人物。どこからきて、どこに行くのかもわからない、謎多き中年の侍。ふらり立ち寄った宿場町。人気がない。飯屋を見つけて食事にありつく。飯屋のおやじにはとても不愛想。
それもそのはずこの宿場町はやくざの勢力争いで二つに割れている。
何を思うかこの1匹侍不気味にうなずく。何かいい案が浮かんだようだ。
さっそくやくざの親分に会いにゆき自分を売り込む。50両出せば用心棒になる、敵のやくざを叩きつぶすとでかい口をたたいた。得体のしれない侍に用はないと出ていきやがれと啖呵を切った。
中年侍、次に向かいのやくざに会いにゆく。50両出せば用心棒になって敵のやくざを叩きつぶすと、俺を雇えと息巻く。お前の腕を知りたい、証拠を見せろと言い放つ。
1匹侍、すたすたと向かいのやくざを挑発出てきたやくざの腕を切り落とす。唖然とする親分同士、不敵な面構えの1匹侍。ここまで氏素性まるで分らず。のちに名前を聞かれ桑畑三十郎と名乗るのだが、果たして本当なのか…。
時代劇映画の流れを変えたといわれる痛快作。”得体の知れない侍”を、三船敏郎が生き生きと演じている。親分の不気味な息子を演じるは仲代達矢、その他黒澤映画でおなじみの名優がそろい踏み。