孤高の天才料理人とその仲間の葛藤と成長を描いた良映画
孤高の天才料理人が、その癖の強さから順調に築いたキャリアをぶち壊し、その後再起を果たすため、仲間と共に歩んでいく姿を描いた良映画。
主人公である料理人は、生来の癖の強さと、至高いただきを目指す姿勢から、仲間とのトラブルも多く、孤立してしまいがち。自分の高い要求を自分自身にも課していて、達成したいと思っているのに達成できず、そのイライラを仲間にぶけてしまう。特に、ミシュラン審査員(とおぼしき客)が来店した時のシーンは印象に残る。三つ星をどうしても取りたい、そのために多くの犠牲を払って努力をしてきた。けれど、自分の要求に仲間が答えてくれない…。周囲に当たり散らす主人公、そして厨房のやりとり、このシーンはいつ観ても身につまされる思いになる。
結局、仲間の裏切りによって、ミシュラン審査員への料理提供は失敗に終わる。どん底に落ちた主人公は、自暴自棄になり、逃亡してしまうが、その窮地を救ったのは、同じく天才料理人で、以前から鎬を削っていたライバルだった。
仲間との衝突、ライバルとの攻防、そして孤立を経て、それぞれの思いを知った主人公は成長し、再び、ミシュラン審査員に臨む。最後のシーンは、厨房だけでなく、接客スタッフも含めた全員が一致団結してすばらいしチームプレーを発揮する。
プライド、挫折、葛藤、そして相互理解と成長。何度観ても感動を覚える作品だ。