キャッチコピーが全てを語っている。
最初に言っておくが、ここで紹介する『LSD』とは、違法薬物の事ではない。
ここで紹介する『LSD』は、1998年に発売されたプレイステーション用ゲームソフトだ。
キャッチコピーは、『こんなのゲームじゃない』 。
キャッチコピーに嘘偽りは無く、誇張表現でもない。
ゲームのジャンルは、『ドリームシミュレータ』という聞き慣れないものだ。
プレイヤーは夢の中で、様々な場所をあてもなく、ただただ彷徨う事となる。
プレイヤーが彷徨う夢の場所は、全部で6つある。
・ 『明月荘』。不気味な住人達がいる、恐らく主人公が住んでいるであろうアパート。ゲームのスタート地点でもある。
・『寺院』。地面の中央に大きな穴が空いている平原の様な場所で、トンネルの入口に大きな顔のモチーフがある。
・『京都』。文字通り、京都の街並みのような場所。
・ 『自然界』。草原や砂漠が広がる広大な場所。
・『HAPPY TOWN』。歩くと独特の音がする、落書きのような場所。
・『バイオレンス街』。ビルが建ち並ぶ、夜の街のような場所。
これ等の場所を歩き廻り、壁や奇妙なオブジェクトに触れるとまた別の場所へと飛ばされる。
これを繰り返すとプレイヤーは目を覚まし、一日が経過する。
この時に奇妙なアニメーションや実写ムービーが流れたり、不思議な詩のようなものが映ったりする。
そしてゲーム内の風景が様変わりする事も多々ある。壁や床の色が奇妙な絵柄となったり、小説のようなものが書かれていたり、月に不気味な顔が現れたりもする。
これを365日目まで繰り返す。
このゲームは、敵のような者は存在しない。ただ、ひたすら不思議な夢の中を歩き廻る、それだけのゲームだからだ。
ただ、敢えて『敵』と呼ぶ者がいるとしたら『黒い紳士』だ。
名前の通り全てが黒いシルエットのみの見た目をしており、帽子とコートを身に付けている事は確認出来る。彼に近付くと、銃のような物で撃たれ、経過した日にちが一日目に戻されてしまう。
彼が本当に敵なのか、プレイヤーを悪夢から覚まさせてくれる味方なのかは解らない。
このゲームは就寝前のプレイは薦められていない。ゲーム同様、悪夢を見るかも知れないから、らしい。
因みにプレイステーション本機でプレイしようとした場合、ソフトはプレミア価格が付いており、非常に高額となっている。
プレイをするのであれば、ゲーム・アーカイブスでダウンロードする事がお薦めだ。