三度目の殺人

三度目の殺人のレビュー・評価・感想

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三度目の殺人
7

裁判の裏側

普通の法廷劇とはちょっと違った作品。
なぜなら結局真実は分からないから。
つまり結局事件の真相が分からないまま終わる。
何も考えず見れば不完全燃焼な気持ちで終わってしまうだろう。
しかし是枝さんが伝えたかったのは、真相が分からなくても公判は続き、そして決着が着く。
そうでもしないと次々に舞い込んでくる事件の処理に支障をきたす。
そして評価にも影響してしまう。
(裁判官、検察官、弁護士などなど…)

つまり結局真実なんて誰も興味はないのだ。
実際世間の人達も、メディアの流す情報を真実と信じている人が大多数だろう。
「本当なの?」…そう思って行動した人はいるだろうか。
結局自分の周りに起こったこと以外は、他人事のように思ってしまうのだ。
そんな他人事のように思ってる人が人を裁けるのか…。
そんなテーマを掲げて作った作品。

内容は割と難解な部類で、一回見ただけでは理解できないかもしれない。
二回目、三回目と見て、ようやく理解できる作品。
結局真実が分からないという、不完全燃焼ゆえに賛否両論がある作品となっていて、好みは分かれると思う。
しかし是枝さんは必ずテーマを提示して作品を手掛けるので、そのテーマに気づいた上で見ると、より楽しく観れる作品なんじゃないかなと思う。

三度目の殺人
7

映画「三度目の殺人」のレビュー

福山雅治さん主演映画です。謎の殺人事件の犯人を問い詰める内容で、犯人役には役所広司さんが出演されています。どちらかと言えば難解な作品ですが、後半で思いもよらぬ展開が待ち受けています。後半からは広瀬すずさんも出演されています。犯人は、実は罪を被るために殺人を犯していたことが後々判明し、映画の最後に福山雅治さんが「あなたは、ただの、うつわ?」という質問をされて映画が終わります。うつわとは、全ての罪を被る受け皿という意味です。サスペンスが好きな方には是非観ていただきたく、展開がどうなっていくのかが気になって仕方ない作品だと思います。殺人事件を扱う映画ですが、怖い映像は少なく、グロテスクな映像が苦手な方でも安心してご覧になることが出来ます。むしろ、最後は作品全体に感動を覚えることが出来て、犯罪の中にも色々な人間模様やストーリーがあるということを改めて実感することが出来ると思います。昨今は様々な犯罪事件が起きる世の中ですが、テレビなどで事件のニュースを見るだけでは窺い知ることの出来ない、事件に関わるの人々の人柄や特質について考察することが出来る映画だと思います。この映画をご覧になって、犯罪事件についての捉え方を見出して頂けたらと思います。