三度目の殺人

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三度目の殺人
7

裁判の裏側

普通の法廷劇とはちょっと違った作品。
なぜなら結局真実は分からないから。
つまり結局事件の真相が分からないまま終わる。
何も考えず見れば不完全燃焼な気持ちで終わってしまうだろう。
しかし是枝さんが伝えたかったのは、真相が分からなくても公判は続き、そして決着が着く。
そうでもしないと次々に舞い込んでくる事件の処理に支障をきたす。
そして評価にも影響してしまう。
(裁判官、検察官、弁護士などなど…)

つまり結局真実なんて誰も興味はないのだ。
実際世間の人達も、メディアの流す情報を真実と信じている人が大多数だろう。
「本当なの?」…そう思って行動した人はいるだろうか。
結局自分の周りに起こったこと以外は、他人事のように思ってしまうのだ。
そんな他人事のように思ってる人が人を裁けるのか…。
そんなテーマを掲げて作った作品。

内容は割と難解な部類で、一回見ただけでは理解できないかもしれない。
二回目、三回目と見て、ようやく理解できる作品。
結局真実が分からないという、不完全燃焼ゆえに賛否両論がある作品となっていて、好みは分かれると思う。
しかし是枝さんは必ずテーマを提示して作品を手掛けるので、そのテーマに気づいた上で見ると、より楽しく観れる作品なんじゃないかなと思う。