ブスに花束を。 / ブス花

ブスに花束を。 / ブス花

『ブスに花束を。』(ブス花)とは、作楽ロクによる少女漫画。2016年から2022年まで『ヤングエース』(KADOKAWA)にて連載された。自らをブスと自虐する高校生の田端花(たばたはな)が、憧れのヒロイン気取りで浮かれていたところを、スクールカースト上位でイケメンと評されている上野陽介(うえのようすけ)に目撃されたことから距離が縮まっていく学園ラブコメディである。ラブコメディでありながらも、主人公は自虐系喪女の高校生という斬新な設定が話題を呼んでいる。

ブスに花束を。 / ブス花のレビュー・評価・感想

ブスに花束を。 / ブス花
7

喪女ネタのギャグが面白い、好感度大のラブストーリー

漫画やゲームの二次元の世界にトキメキつつも、現実の高校生活では日陰に生きる喪女の田端花。
美化委員の花は、花瓶の花を変えるため、そしてその作業を誰かに見られて突っ込まれたくないために、毎日朝早くから登校していました。ところがある日、花瓶の花を自分の髪にさして浸っているところを、クラスで一番の人気者の上野くんに目撃されてしまいます。花の自虐的な妄想は大暴走し、悪い噂になることを防ぐため、なんとか上野くんを口止めしようと奔走。しかし、予想に反して上野くんは花に対して好印象を持っており、花が花瓶の世話をしていることも内緒にしておくことを約束してくれたのでした。
その日から上野くんや、その友達と何かと関わるようになり、花の周りは賑やかになっていきます。常にネガティブな妄想が浮かんで先走りしてしまう花ですが、上野くん達の優しさは花を裏切ることはありません。そして、花にだけ特別な表情を見せる上野くんとの関係に期待が高まるストーリーです。

いつも「自分なんかが」と思っている花は卑屈ではありますが、その謙虚な性格に好感が持てるキャラクターです。花をライバル視する人物として登場する鶯谷すみれが、かわいい見た目と違って腹黒い性格なので、なおさら花の良さが引き立ちます。
上野くんも爽やかでカッコイイのに、気どったところのない真っ直ぐな男の子。
二人の恋を応援したくなります。
また、喪女ネタのギャグのセンスも面白く、コメディーとしても楽しめる作品です。

ブスに花束を。 / ブス花
8

最高のヒロイン

多くの漫画では地味でかわいくないって設定のヒロインは大抵可愛く描かれていますが、本作のヒロインは本当に恵まれない容姿で描かれていて、驚きました。
自分をブスと認め、目立たずそっと生きてきた主人公のこじらせ方がひどいと思いつつ、共感でき、面白いです。
ただ、主人公の優しさや気遣いの仕方、純粋な気持ちがとても素敵で、ストーリーを読み進めるうちにどんどん主人公が可愛らしく見えてきます。
ヒーローも容姿でなく、主人公の内面の良さを理解して、本気で主人公を可愛らしいと思っていて、二人の初々しいやりとりにキュンとします。
ほのぼのラブコメといった感じです。
ラブコメなのでもちろん恋のライバルが登場しますが、イヤな感じの子ではなくむしろいい子なので、ドロドロした要素はありません。
主人公の周りも優しくて個性的で、魅力的なキャラクターが多いです。
主人公達だけでなく、周り人達の関係性も少しずつ変わっていて、この先どうなるのかも気になります。
最初、自分に自信がなく周りと打ち解けられなかった主人公が、少しずつ周りとの関係性を築いて行く中で成長していくので、ずっと応援したくなります。
読んでいて癒され、なおかつとても笑える珍しいラブコメなのでとてもオススメです。

ブスに花束を。 / ブス花
9

思わず主人公を応援したくなる

スタイルも容姿もお世辞にも可愛いとは言えないネガティブ喪女が主人公の恋愛マンガ。好きな相手が爽やかイケメンだったり、友人やライバルの恋模様も描かれているところはフラワーコミックスの「君に届け」に似ているところがあります。自分に自信を持てずにボッチの高校生活を過ごした人や、現在ボッチで高校生活を送っている人間には「あるある!」と叫びたくなるほど感情移入しやすく、爽やかイケメンとの恋というテーマに夢があるのがいいですね。
主人公はネガティブ思考だけど、卑屈になっておらず、前向きなひたむきさがあって好感が持てるし、思わず応援したくなってくる作品です。主人公の1人回想が多く、ゆっくりストーリーが進んでいきます。ストーリーが進むにつれて主人公への他キャラの視点も多くなってきて面白いです。また、片思い→告白で終わるのかと思えば恋人として付き合うことになったり、過去の話が持ち上がったり…2人が安心して堂々と恋人同士で付き合えるようになるのはいつになるのか!?ハラハラドキドキというよりも、「あーっ!そんな回りくどいことしてないで早く堂々と恋人同士になっちゃいなよ~‼」と少しイラっとする部分もありますが(笑)、いつも楽しく読んでいます。