恐怖の報酬 / Le Salaire de la peur

恐怖の報酬 / Le Salaire de la peurのレビュー・評価・感想

恐怖の報酬 / Le Salaire de la peur
10

恐怖の報酬

恐怖の報酬・フランスオリジナル版。とにかく恐ろしい映画。某国で仕事にあぶれたフランス人。仕事がなく安酒を浴びる日々、怠惰な暮らし。しかしプライドだけは高い。そんな暮らしに終止符が打たれる。仕事の話が舞い込む。ギャラもいい仕事にありつこうと何人も応募。しかし話を聞いてびっくり、怖気づく。仕事の内容は命がいくつあっても足りない話。ニトログリセリンを運ぶのだ。少しの振動でも与えたら爆発、車も人間も蒸発しかねない。ギャラと仕事と平穏な人生を手にするため、男たちは決断する。この作品を初めて見たとき鳥肌が立ちました。2回目も、3回目も同じく鳥肌が立つ。おそらくなん10回みても同じでしょうね。死の恐怖と戦いながらの道中、精神が破綻する者も出る過酷な仕事、道は平たんなところばかりではない、山あり谷あり危険がいっぱい。見ているこちらもドキドキ・ハラハラ、酸欠になりそう、何人かの犠牲を出しながらも無事到着、高額なギャラを受け取り満面の笑顔。後は帰るだけ。帰りは気楽、笑いもこぼれる…しかし本当の恐怖は…。

恐怖の報酬 / Le Salaire de la peur
10

こんなに緊張して観た作品はない

フランス映画のアメリカリメイク版で、フリードキン監督が今もって1コマも修正したいと思う箇所がないと言い切ったらしい、最高傑作です。映画館でこんなに緊張しながら見た映画は初めてでした。体に力が入って、映画が終わった時には疲れを感じたくらいです。人にこの恐怖心を伝えようと思っても、「爆発するかもしれないニトロを運ぶ映画で…」といっても伝わらないんですよね。
CGなんて技術がなかった時代に、これどうやってとったんだろうと思うシーンがたくさん出てきます。嵐の中、ぼろぼろのつり橋を渡るシーンではわたりながらどんどん壊れていって激流に流されそうになったり、やっと無事にわたりきったと思ったら大木が倒れていて通れなかったり…一難去ってまた一難で、ずっと緊張しっぱなしでした。難所をうまく抜けたのに、何でこんなことになるの?と絶望感も度々。
男たちは汚いし、風景も決してきれいではないし、最初から最後までほとんどが汚い。それでも完全に引き込まれる映画です。最終的に成功者が出るのか、全員死ぬのか。言わないでおきます。ぜひ見てください。めちゃくちゃ面白いです。アメリカで公開されたとき、スターウォーズブームの直撃を受けヒットせず、監督に無断で30分カットされたものが配給されたそうです。今の時代に完全版が上映され「ありがとう!」という気持ちです。