戦場のヴァルキュリア4 / 戦ヴァル4

戦場のヴァルキュリア4 / 戦ヴァル4のレビュー・評価・感想

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戦場のヴァルキュリア4 / 戦ヴァル4
7

第二次ヨーロッパ大戦を終わらせた英雄たち

キャラクターの魅力やストーリーなどが、本シリーズ1作目に戻ったような良さがあります。主人公たちの出身地も1作目主人公のウェルキンと同様ガリア出身で、シリーズファンとしては嬉しい反面「この戦争の功労者の大半、ガリア出身者か」とも思えます。仲間の重要ポジションに、ダルクス人が含まれているのも共通点です。
ストーリー全体としては戦争の恐ろしさや悲しさ、敵味方どちらも大切な者のために戦う立場であり、相手にとって許しがたい悪であるという点を痛感させられます。戦場の大半が寒冷地ということもあり、耐寒装備の整わない主人公たち連邦側には雪や寒さも脅威ですが、主人公の特技である「風のお告げ」と呼ばれる天候予測能力によってそれすらも味方につけることも。
ステージは油断すると犠牲者が出てしまう難易度ですが、ゲームがあまり上手くない人間としては難しいというよりも面倒に感じるギミックが多くありました。シリーズを通して見られるターン制限や、対戦車兵にしかクリアできない仕様はストレスを感じます。
ヒロインのレイリィ役声優、東山奈央さんの演技力の高さは特筆すべきものがあり、彼女の他の役を知ってはいましたが「こんな演技もできるのか」と感動を覚えました。

戦場のヴァルキュリア4 / 戦ヴァル4
10

独特なタッチで描かれるグラフィックと重厚なストーリー

まるで水彩画のようなグラフィックで表現された世界とキャラクター達は綺麗な絵画系イラストのようでもありますが、しっかりとアクション戦略シミュレーションゲームとしての動きもあるため独自の雰囲気があります。

ゲームのグラフィック上大きな怪我や出血などの表現はありませんが、忘れがちになる「戦争の恐ろしさ」「理不尽さ」などはストーリーによって十分すぎるほど感じさせられるため、見た目的な残虐表現が苦手という方でも楽しむことができると思います。

それらストーリーをさらに印象強くするのが、個性あふれる魅力的なキャラクターたち。
いわゆる名前や顔のない脇役たちも存在はしますが、プレイヤーが操作できるキャラクターたちの多くはそれぞれが主人公を務められそうなほどにしっかりとした設定や性格、過去を持ち合わせていて一人一人が丁寧に描かれています。

ストーリー上の一幕においても、そのエピソードに直接関係のない、背景で何気なく動いているキャラクターが自分の好きな仲間だったりするとなんだか嬉しい気持ちになります。

味方は敵より強いユニットであることが多いですが、それでも戦略ミスによって一撃でやられたり、ボスが人とは思えないほど強かったりと、ゲームバランスも見事です。