レナードの朝

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レナードの朝のレビュー・評価・感想

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レナードの朝
10

人間とは

実話をもとにした映画です。
精神病院に勤務することになった医師マルコム・セイヤーをロビン・ウィリアムズ、3精神病院で半昏睡状態の患者レナード・ロウをロバート・デ・ニーロが演じています。
子供の頃患った謎の病惰眠性脳炎の影響で30年もの間精神病院で意思の疎通もできず、ただ眠るように生きているレナード。ひょんなことから入院している患者たちに反射神経があることを発見し、治療への道筋を見つけたセイヤーはレナードに対して新薬の投与を始めます。
新薬は劇的な効果をあげ、レナードは30年ぶりに母親と言葉を交わせるほどに回復するのですが…
セイヤー医師のレナードに対する態度は、半昏睡状態の時から変わらず一人の人間としてレナードを扱っていました。
文字盤を使ってなんとかやり取りしていた二人が目を合わせ、言葉を交わし、友情を深めていく様はみていて心が温かくなりました。
最終的には新薬の効果はひと夏しかもたず、レナードも含め全員が元の状態に戻ってしまうのですが、たとえひと夏でも回復して自分らしさを取り戻せたのがよかったのか、悪かったのか私にはわかりません。
人間の尊厳についてこれほど考えさせられる映画を知りません。
古い映画ではありますが、機会があればぜひ多くの人にみてほしい映画です。

レナードの朝
10

心に突き刺さるヒューマンドラマ

ロバート・デ・ニーロとロビン・ウィリアムズが主演の実話を基にした心暖まるヒューマン・ドラマの傑作で、1990年にアメリカで公開されました。物語は、人付き合いが極端に苦手な、マルコム・セイヤー医師が慢性神経症専門の病院に赴任される所からスタートします。これまで、研究が専門で臨床の経験も全く無く、患者との接し方も分からなかったセイヤー医師ですが、そこで出会った患者とふれあい、生きる事の大切さや目的を学び成長していく話で、実話を基にしたこのストーリーも胸に来る物がありますが、ロバート・デ・ニーロの凄まじい演技力も衝撃的です。神経症の病気の恐ろしさが、デ・ニーロの演技を通じて伝わってくる様で、狂気すら感じます。特に病状がだんだん悪化してきて、焦り苛立つ時の演技が素晴らしく、観るものの心を鷲掴みにします。セイヤー医師の、心の優しさや穏やかさをそのまま表現した様なロビン・ウィリアムズの演技力も素晴らしく、激しさと静かさという、二人の対照的な演技に目が離せません。ラストは悲しい結末ですが、決してネガティブでは無く、色々な事を考えさせられます。普通に生きていける有難みや時間の大切さを、この映画を通じて再確認出来ました。

レナードの朝
10

映画史に残る名作!

涙を流したくない状況では絶対見ないでください!それほど感動必須の名作です。名優ロバート・デ・ニーロ、ロビン・ウイリアムズ出演で、アカデミー賞は惜しくも受賞にはなりませんでしたが、作品賞・主演男優賞・脚色賞にノミネートされています。1960年代のアメリカでの実話を基にしたドラマで、”眠り病”と言われた不治の病に侵された患者と医師の奇跡のお話です。患者は目は開いていても話すことも動くこともできず、座らせたら座りっぱなし横にさせたらそのままという、ずっと眠りについているような状態になってしまうのです。そこに新しく赴任してきた医師がボールを投げると、動かないはずの患者がそのボールに反応してキャッチ!そんな不思議な病気です。そして、新薬を投与したところ奇跡の回復!30年振りの目覚め!普通にコミュニケーションを取ったり普通に食べたり、踊ることさえもできるようになるのです。そして、それまでの不遇を取り戻すかのように、恋もして明るい未来に向かっていこうとしますが…。だんだん薬の効き目が無くなっていき、結局元の”眠り”の状態に戻ってしまうのです。奇跡と切なさの織り成す人間ドラマ。生きることの不条理と希望。この映画を見終わった後、必ずあなたの心に温かいものがあることを感じるはずです。是非是非ご覧ください。

レナードの朝
7

誰かを救う医療とはなんなのか

レナードの朝は、ロバート・デ・ニーロ主演の医療ノンフィクションを基にした映画です。主人公のレナードは、少年時代にパーキンソン病の症状が発症して以来寝たきりの状態になってしまいます。30年後、パーキンソン病の新薬を使うこととなりその後のレナードの経過を追っていくストーリーです。
またレナードの人生を見つめてゆく医師セイヤーをロビンウィリアムズが演じています。レナードは30年間眠り続け、新薬のL-ドーパを使うことによって目を醒まします。身体は軽くなり、頭もさえることとなります。そしてレナードはある女性に恋をします。そこで病院から1人で外出したいと医師団に願い出るも医師団に反対され、その直後レナードは暴れだすようになります。その間L-ドーパには耐性があって薬の効果は薄れることが発覚し、結果的にレナードは再度寝たきりになってしまいます。レナードはセイヤーに自分と同じ患者のために自分の姿を記録として残してほしいと言います。セイヤーは自分のしたことは正しかったのか悩みます。ですがレナードと関わったことによって、改めて生きることの大切さを感じるのでした。
どんな生き方をしていても、どんな人にも病はあり、訪れます。命は誰にでも備わっていますが、決して同じ質ではないのだと思える映画です。