レナードの朝

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レナードの朝
10

心に突き刺さるヒューマンドラマ

ロバート・デ・ニーロとロビン・ウィリアムズが主演の実話を基にした心暖まるヒューマン・ドラマの傑作で、1990年にアメリカで公開されました。物語は、人付き合いが極端に苦手な、マルコム・セイヤー医師が慢性神経症専門の病院に赴任される所からスタートします。これまで、研究が専門で臨床の経験も全く無く、患者との接し方も分からなかったセイヤー医師ですが、そこで出会った患者とふれあい、生きる事の大切さや目的を学び成長していく話で、実話を基にしたこのストーリーも胸に来る物がありますが、ロバート・デ・ニーロの凄まじい演技力も衝撃的です。神経症の病気の恐ろしさが、デ・ニーロの演技を通じて伝わってくる様で、狂気すら感じます。特に病状がだんだん悪化してきて、焦り苛立つ時の演技が素晴らしく、観るものの心を鷲掴みにします。セイヤー医師の、心の優しさや穏やかさをそのまま表現した様なロビン・ウィリアムズの演技力も素晴らしく、激しさと静かさという、二人の対照的な演技に目が離せません。ラストは悲しい結末ですが、決してネガティブでは無く、色々な事を考えさせられます。普通に生きていける有難みや時間の大切さを、この映画を通じて再確認出来ました。