レナードの朝

レナードの朝

『レナードの朝』とは、医師のオリバー・サックスが1973年に発表した医療ノンフィクション、およびそれを基に1990年にアメリカで製作された映画作品である。原作では、マウント・カーメル病院に入院していた嗜眠性脳炎の20名にパーキンソン病向けの新薬L-ドーパを投与し、覚醒させたが、耐性により効果が薄れていった状況を記述している。
本作をもとにした戯曲『いわばアラスカ』が、1982年にイギリスのハロルド・ピンターにより執筆されている。
映画版『レナードの朝』では、1969年のニューヨークを舞台に、長年嗜眠性脳炎によって昏睡状態にあった患者たちと、彼らを救おうと奔走する医師の姿を描いている。研究一筋で人付き合いの苦手なセイヤー医師が、慢性神経病患者専門の病院に赴任するところから物語が始まる。彼は、30年もの間動かずにいた重症患者レナードに対し、パーキンソン病の新薬を用いた治療を試みる。その結果、レナードは奇跡的な「目覚め」を遂げ、他の患者たちも次々と機能を回復していく。束の間の幸福な夏の中で、レナードは外の世界に触れ恋を知るが、やがて薬の副作用により再び病魔が彼らを襲う。
実話をベースに、人間の尊厳や生きることの素晴らしさ、そして医療の限界を真摯に描いた本作は、第63回アカデミー賞で作品賞を含む3部門にノミネートされるなど高い評価を受けた。

JohnJohnJohnnyi1のレビュー・評価・感想

レナードの朝
10

心に突き刺さるヒューマンドラマ

ロバート・デ・ニーロとロビン・ウィリアムズが主演の実話を基にした心暖まるヒューマン・ドラマの傑作で、1990年にアメリカで公開されました。物語は、人付き合いが極端に苦手な、マルコム・セイヤー医師が慢性神経症専門の病院に赴任される所からスタートします。これまで、研究が専門で臨床の経験も全く無く、患者との接し方も分からなかったセイヤー医師ですが、そこで出会った患者とふれあい、生きる事の大切さや目的を学び成長していく話で、実話を基にしたこのストーリーも胸に来る物がありますが、ロバート・デ・ニーロの凄まじい演技力も衝撃的です。神経症の病気の恐ろしさが、デ・ニーロの演技を通じて伝わってくる様で、狂気すら感じます。特に病状がだんだん悪化してきて、焦り苛立つ時の演技が素晴らしく、観るものの心を鷲掴みにします。セイヤー医師の、心の優しさや穏やかさをそのまま表現した様なロビン・ウィリアムズの演技力も素晴らしく、激しさと静かさという、二人の対照的な演技に目が離せません。ラストは悲しい結末ですが、決してネガティブでは無く、色々な事を考えさせられます。普通に生きていける有難みや時間の大切さを、この映画を通じて再確認出来ました。