塵骸魔京

塵骸魔京

『塵骸魔京』とは、2005年6月26日にニトロプラスから発売されたアダルトゲームである。ジャンルは人外伝奇アドベンチャーゲーム。原画をNiθ、シナリオを夜刀史朗(海法紀光)が担当。本作は、海法が携わったテーブルトークRPG『BEAST BIND 魔獣の絆 R.P.G』のキャンペーンシナリオを物語の下敷きとしており、タイトルの「魔なる京に骸は塵りぬ」という言葉通り、魔物が跋扈する世界観が描かれている。
本作は、日常の裏側に潜む魔物たちの世界を舞台に、著しく共感能力を欠いた主人公・九門克綺が、異世界の価値観や住人たちと接触する過程を描く。自らを「心臓がない」と称するほど冷淡だった主人公が、過酷な運命の中で少しずつ「人間らしさ」を獲得していく心境の変化が物語の大きな軸となっている。
分類上はビジュアルノベルに近く、緻密な文章と選択肢によって物語が分岐するマルチエンディング方式を採用している。文章量が多く、難解かつ重厚な表現を多用することで、作品全体にダークな雰囲気を与えているのが特徴である。

塵骸魔京のレビュー・評価・感想

塵骸魔京
8

共感能力に欠ける主人公の成長。魔物とのバトル。

コミカルな場面はあるものの、雰囲気は全体的に重めでダークな印象。
主人公の九門克綺が持つ「他者の魔力を吸収して自らの力にする」という能力は厨二心をくすぐります。
水を操る能力を得た時には、それを行使する練習として目を瞑り周囲にある水の気配を探し、水の集まりを見つけそれを操ろうとします。しかしその水とはヒロインであるイグニスの体内、つまり血液や唾液等の体液であり、克綺は図らずともイグニスにダメージを与えてしまうことになります。このシーンでは、克綺が生物相手に負けることはほとんどないだろうな、と思えるほど凶悪な能力であることがわかります。
一般的なアダルトゲームではあまり類を見ないのですが、ニトロプラス作品にはよくある設定として、塵外魔境ではヒロインの数を超えるほどの魅力的な男性キャラクターが多く登場します。
ストーリーにも重要な意味のあるシーンとして、性行為もしっかりと濃密に描かれますが、アダルトゲームとして重要なそのシーンに負けず劣らず熱いバトルシーンも描かれます。
メインヒロインは3人で、いずれも戦闘能力を有していているのも魅力。
なお、主人公には義妹がいるものの彼女はアダルトゲームとしての攻略対象ではありません。明らかに主人公への好意を持っている、義妹、アダルトゲームと三拍子揃えばヒロインの一人になり得そうですが、そうならないところもこのゲームらしい気がします。