魔神冒険譚ランプ・ランプ

魔神冒険譚ランプ・ランプのレビュー・評価・感想

New Review
魔神冒険譚ランプ・ランプ
7

アラビアを舞台に、奥手魔人が世界救済

作者は「ヒカルの碁」「デスノート」で知られる小畑健氏。
デビュー作の次作にして、小畑健の名前で活動するようになってから最初の連載作品です。
魔神冒険譚はアラビアンと読み、中世アラブ風の世界で人間を支配する強力な存在と戦うという冒険譚です。
主人公である魔神ランプの必殺技は「ドゴーンパンチ」。
見た目はただのパンチですが、その能力は「破壊伝導率100%」。相手にヒットすれば骨が砕けるほどのランプのパンチ力に能力が加わることで全身の骨が砕ける、と言う強力なものです。
魔神は元々、人間と仲良く暮らしていたのですが、強大な存在に洗脳されてしまいます。そのためにランプの友人たちも敵として道中に登場します。
親友がランプを騙し討ちしようとするなど、愚直なランプには辛い展開もありますが、後腐れなどしないランプは彼らに怒りを向けることはなく、しかし襲い掛かる彼らを撃退して魔神を洗脳する存在へと挑んでいきます。
この展開はまさに熱い王道少年漫画で、思わず応援の気持ちが沸きました。
両手で「ドゴーンパンチ」を胸の前でぶつけ合うことで、アラビアンゲートを開き無限のエネルギーを放つ「ドギューンパンチ」へパワーアップ。
さらにパワーアップした「アラビアン・ドゴーン・パンチ」、さらにさらに「アブラカタブラファイナル・ドギューンパンチ」と言う、初期の技のままグレードアップしていく必殺技は子供心に響きました。
技名は賛否両論あるものの、おバカっぽいランプらしいネーミングで好き。全3巻で、読後感の良い漫画です。